元K-1王者・武居 圧巻のKO劇も八重樫氏は注文「いつまでも通用しない」
「ボクシング・8回戦」(14日、両国国技館)
元K-1ワールドGPスーパーバンタム級王者の武居由樹(25)=大橋=が、今村和寛(本田フィットネス)を1回59秒TKOで勝利した。ゴング直後から前に出て、強烈な右アッパーで相手のアゴを捉えて秒殺。デビューから3戦連続で1回KOと圧倒的なポテンシャルを見せつけた。
鮮烈な勝利を飾ったが、自身は練習してきたボクシング技術も出したかったといい「今日は右しか使っていない。左も多く練習はしたいたけど」と反省しきり。リング上のインタビューでは「冷静に戦おうと思っていたが、倒しにいってしまった。何(のパンチで)で倒したかわからない」と照れ笑いした。
指導する元世界王者の八重樫東トレーナーは「倒すとは思っていたが、(試合全体の)段取りや順序をしないと、(パンチ力だけで)いつまでも通用するわけではない」と注文も忘れなかった。「仕留める嗅覚はK-1時代から天性のもの」と目を細めつつ、この日は練習してきたワンツーが見られなかっただけに「右に頼りがちだった。(勝ったけど)結果オーライです」とあえて課題を強調した。
それでも、上々のボクシング1年目を終えた25歳のホープは来年に向けて「早い段階でベルトがほしい。少しずつ技術を上げて近づけるように」と意欲。「まだまだここからが本当のスタート。チャンピオンになるまで気を抜かずに頑張りたい」と気を引き締めた。