井上尚弥、防衛から一夜 相手のタフさに陣営も感嘆 父真吾氏「日曜なら“あっぱれ”」
ボクシングWBA・IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(28)=大橋=が15日、防衛戦から一夜明け、横浜市内で会見した。アラン・ディパエン(タイ)を8回2分34秒TKOで下したが、相手のタフさに苦戦。「ランキング選手がディフェンシブに徹底してきたら(攻略が)難しいが、倒し切れたのは良かった。昨日はタフさに面食らった部分があったが、まだ見せられる幅はある。まだまだ自分の伸びしろを感じた試合だった」と振り返った。
前夜は2年ぶりの国内試合。早期決着に期待が集まる中、井上は終始攻勢に出たものの、ディパエンの予想外のタフさに攻めあぐね、8回まではなかなか仕留めることができなかった。井上はリードパンチで倒すと公言していたが、相手の頑丈さと根性に「想定外でした」と改めて驚き。「本当にジャブで倒せると思っていたし、(手応え的に)ディパエンじゃなければジャブで倒れている」と相手をたたえた。
陣営も相手の予想以上の難敵ぶりに感嘆の声を上げた。井上の父真吾トレーナーは「いいパンチは入っていた」と見解を示しつつ、「(相手は)ムエタイをやっているからガードが堅いとはいえ、よくこんなに尚のパンチを耐えられるなと。想定外だった」と目を丸くし、「(相手はダメージを負いながら)パンチも出ていたので、気を抜くなと言っていた」と述懐。期待を上回る善戦ぶりに「日曜日だったら『あっぱれ』って言いたかった」と“御意見番”を思わせるフレーズで相手をたたえた。
今後は4団体制覇を目指し、WBC王者ドネア、WBO王者カシメロに照準を合わせつつ、話がまとまらない場合はスーパーバンタム級に転向する可能性にも言及している。「(来年の)春、夏はバンタムでいく覚悟」と改めて統一戦に意欲を示した上で、来年の暮れにも階級を上げる意向を明かした。