井上尚弥が落胆 村田対ゴロフキン延期に「いちファンとして楽しみ減った」

 ボクシングWBA・IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(28)=大橋=が15日、2年ぶりの国内試合となった防衛戦から一夜明け、横浜市内で会見した。アラン・ディパエン(タイ)に攻めあぐねる場面も目立ったが、8回2分34秒TKOで撃破。「昨日はタフさに面食らったが、まだまだ見せられた幅はあるし、自分の伸びしろを感じた」とうなずいた。

 試合直前の11月末、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大で政府が水際対策を強化。試合の開催が危ぶまれたが、ディパエンが間一髪で来日していたために無事に実施され、井上は「不安はなかった」と明かした。

 ただ、ボクシング界では、29日に予定されていたWBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(帝拳)とIBF同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)の統一戦という超ビッグマッチが来春に延期。31日のWBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(志成)とIBF世界同級王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)の統一戦も流れてしまった。

 年末3大マッチのうち2つがなくなり、楽しみにしていたボクシングファンの期待を一身に背負う立場になったが、井上は「(できなくなった)2試合の責任を自分が負うことはなく、リングに上がってやれることをやるだけだと思っていた」と影響を一蹴。一方で、「いちファンとして、年末の2試合はすごく楽しみにしていた」と明かし、「自分の楽しみが減った」とファン目線では落胆していた。

 自身は来年に向けて、改めて4団体統一を目指し、WBC王者ドネア、WBO王者カシメロに照準。「(来年の)春、夏はバンタムでいく。身体的に(はまだ大丈夫)」と意欲を燃やし、悲願達成後の年末にスーパーバンタム級に転向する考えを明かした。

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