亀田3兄弟 控訴審も勝訴 倍増1憶円支払い令「最高のオヤジ」史郎氏復権を熱弁
日本ボクシングコミッション(JBC)による不当な処分で国内試合ができなくなったとして、元世界王者の亀田興毅氏(35)らがJBCとその関係者らを相手に約6億6000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が24日、東京高裁で言い渡され、一審に続いて処分は違法とし、約1億円の支払いがJBCなどに命じられた。賠償が一審の4550万円から2倍以上に増額。興毅氏は「勝利宣言」と話し、10年に資格取り消し処分を受けた父史郎氏(56)の復権に動いていることも明言した。
第2ラウンドも亀田側が制した。賠償額は一審の約4500万円から倍増。一審では興毅氏、大毅氏、和毅の3兄弟が14年に1試合ずつできたとして算定したが、高裁では17年まで影響が続いたとして損害額を増やした。
この日、都内で開かれた亀田側の会見で、代理人の北村晴男弁護士は、違法な処分を行ったと認定されたJBCを「反省したり、コンプライアンスを確立するなど1ミリもしてこなかった」と指摘。「組織の大切な財源を、違法行為を行うことで流出させる組織。選手が国内で試合が行えなくなる重大な結果を招いても平然としている冷酷な組織」と厳しく批判した。
興毅氏は安どの表情。処分を受けた後に経験した「巨額の投資をした」というジムの閉鎖や、負担の大きい海外での試合などを振り返って「苦しかったですね」と語った。
「亀田兄弟と同じような思いをするボクサーが出ないように、JBCにはちゃんとした公平性を保って、しっかり機能してもらえるような組織になることを強く望みます」と訴え、「すべて気持ちが晴れるわけでもない。苦しいこの期間、よくここまで負けずに戦ってこれたなと。今日は勝利宣言と言えるのではないかという感じ」と感慨深げに話した。
そして、父史郎氏の復権に言及。トレーナーライセンスを申請中で、興毅氏が会長を務める3150(サイコー)ファイトクラブが加盟する西日本ボクシング協会の嘆願書が必要なため、その判断待ちという。「世界初の3兄弟世界チャンピオンを作ってトレーナーの実績は申し分ない。亀田劇場復活には亀田史郎という最高のオヤジが必要なんじゃないかと。3150ファイトクラブのサイコーには再興というテーマもある」と熱弁。「オヤジが再興した暁には、『オヤジ、どんなもんじゃい』と言いたいなと思っています」と、久々に決めゼリフを口にする思いを語った。