石田順裕氏 村田諒太よ前に出ろ 馬力で対抗 ゴロフキンに挑んだ男が攻略ポイント指摘

 ゴロフキンとの対戦が決まり気合が入る村田諒太=3日
 2013年3月30日 ゴロフキン(右)に攻められる石田順裕(ロイター=共同)
2枚

 「ボクシング・WBA・IBF世界ミドル級王座統一戦」(4月9日、さいたまスーパーアリーナ)

 日本ボクシング史上最大マッチまで1カ月を切った。日本の至宝・村田諒太(36)=帝拳=の勝機を探るべく、デイリースポーツは最強ゲンナジー・ゴロフキン(39)=カザフスタン=に挑んだ2人の男を直撃した。元WBA世界スーパーウエルター級暫定王者・石田順裕氏(46)と、元日本&東洋太平洋ミドル王者・淵上誠氏(38)。共に完敗を喫したが、両氏だから知っているゴロフキンの強さ、そしてその最強王者に村田が勝てるのかを語ってもらった。

  ◇  ◇

 2013年、石田氏はキャリア唯一のKO負けを喫した。その相手が今もトップに君臨し、日本のエースと大一番を迎える。

 「うれしい。日本人がゴロフキン相手にどういう勝ちパターンがあるのかを見たい」

 攻略のポイントは圧力で渡り合えるかだ。「村田はフィジカルも強い。パンチを突いて、手数を多く出してゴロフキンを下がらせることができたら勝機はある」と、断言した。

 9年前、アウトボクシングを得意とする石田氏も接近戦を選択した。「打ち合いで泥仕合に持ち込もうと思った。足を使っても捕まる。それなら近すぎる距離で逆に下がらせたかった」と振り返る。

 その作戦は無残に散った。「2ラウンド目からは歯が立たなかった。拳も一発一発が硬い。石で殴られているようだった。体幹が強かった。クリンチしても、引きはがされた」。3回、強烈な右フックを顔面に浴び、上半身がロープの外に吹っ飛ばされて失神した。

 日本では快挙となる中量級で世界王座を奪取した石田氏。当時は米国を主戦場にして連戦。世界王者クラスともスパーリングを重ねた。経験豊富な実力者が「勝負にならないというのは初めて。入ろうと思った瞬間にジャブをもらったり、技術も超一流。化けもの」と異次元を痛感した。

 ゴロフキンは39歳。“宿敵”世界4階級王者のサウル・アルバレス(メキシコ)=愛称カネロ=との2戦(1分け1敗)で消耗は激しく、その後の試合では精彩を欠いた。だが石田氏は「突き抜けて強いのは強い。今でも最高のチャンピオン」と衰えはないと見る。

 石田氏はカネロともスパー。「全然かなわなかった。ゴロフキンと同じレベル」とミドル級でこの2人は別格というが「村田なら」の期待をせずにはいられない。

 「ほかの外国人もいる中で(五輪の)金メダリスト。村田もテクニックで崩すタイプじゃない。やはり馬力は突き抜けたものがある。そういうレベルの戦い。ゴロフキン相手に前に出て、それができる日本人を見たい。やるとすれば村田しかいない」と“雪辱”を託した。

 ◆石田順裕(いしだ・のぶひろ)1975年8月18日、熊本県長洲町出身。興国高、近大を経て2000年プロデビュー。09年8月にWBA世界スーパーウエルター級暫定王座獲得。11年4月、ラスベガスで当時27戦全勝(24KO)のカークランド(米国)に1回TKO勝利し「アップセット・オブ・ザ・イヤー」を受賞。15年引退。現在は大阪府寝屋川市で「寝屋川石田ボクシングクラブ」会長。右ボクサーファイター。プロ通算40戦27勝(11KO)11敗2分け。188センチ。家族は夫人と3子。

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