亀田和毅、ファイトマネーを全額介護用品などに寄付、年内の王座返り咲き視野
元世界2階級王者・亀田和毅(30)が15日、大阪・枚方市の住居型有料老人ホーム「幸 premium 御殿山」を訪問した。20日開業する同ホームでは「アンバサダー」として準備段階から協力。この日は、寝たきりで入浴できる特殊浴槽や電動車いすなどを見学し、次戦のファイトマネーを全額、同ホームに寄付する意向を明かした。
和毅は「今までは試合で元気や勇気を与えたいと思ってきたが、具体的にできているかわからなかった。こちらで社会貢献できれば。自分のモチベーションにもなる」と説明。特殊浴槽は1000万円以上、電動車いすは50万円程と高額で、ファイトマネーはそれらの介護用品の購入に充てるという。
また「日本の技術はすごい。メキシコにも持って行って、子どもや高齢者の環境を整えたい」と15歳で海を渡った、第二の故郷へも思いをはせた。メキシコには今夏に自身がオーナーのジムをオープン予定。子どもたちに無料で指導すると言い「世界王者をつくりたい」と夢を描く。
一昨年には長男の望有ちゃん(1)が誕生。福祉活動については「10年前にはまったく考えられなかったが、応援してもらうだけじゃなく、人のために何か助けになることがあればやりたいと考えるようになった」と、新たなモチベーションが生まれたという。
次戦は未定だが、年内の世界挑戦は視野に入れている。昨年12月にメキシコでWBA世界スーパーバンタム級王座への挑戦者決定戦に勝利し、同級王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)への挑戦権を獲得。IBF王座も持つアフマダリエフとの対戦指令を待っている状態で、「今年中には(世界戦が)できると思う」と準備を進めている。
王座返り咲きの先には大きな目標もある。「来年は井上(尚弥)選手も階級を上げてくると(情報を)見た。王者になって日本人対決ができれば、ボクシング界も盛り上がる」と、ビッグマッチへの思いも募らせた。