藤波、27年半ぶり大阪城ホールで奮闘 飛龍原爆不発も「新日本は心地いいね」

 オカダ・カズチカ(左)にドラゴンスクリューを見舞う藤波辰爾(新日本プロレス提供)
 リング上でポーズを決める(左から)タイガーマスク、オカダ・カズチカ、藤波辰爾、棚橋弘至、小島聡(新日本プロレス提供)
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 「プロレス・新日本」(27日、大阪城ホール)

 藤波辰爾が1994年9月27日以来、約27年半ぶりに大阪城ホールのマットに立ち、8人タッグ戦で敗れた。

 藤波は1日に日本武道館で行われた旗揚げ記念日大会にも出場しているが、大阪城ホールは、86年9月27日に前田日明と右目上から大流血した末に両者KOとなった歴史的名勝負を演じ、91年5月31日には20周年記念マッチを行うなど思い出深い場所。この日はGLERTから参戦しているストロングハーツのCIMA、エル・リンダマン、T-Hawkと合体し、旗揚げ記念日では共闘したオカダ・カズチカと棚橋弘至に小島聡を加えたトリオを迎撃すた。

 まずは先発して初対戦となるオカダとグラウンドの攻防を展開。藤波があこがれの人という棚橋には張り手の応酬から得意のドラゴンスリーパーを繰り出すと、棚橋も藤波譲りのドラゴンスクリューで反撃した。再びオカダと対峙すると、フルネルソンで捕らえたものの元祖ドラゴンスープレックスホールドは繰り出せず、逆に豪快なドロップキックを浴びてしまう。

 そして、オカダに必殺レインメーカーを発射されたが、寸前でかわしてドラゴンスクリューを見舞う匠の技を披露。しかし最後は、タイガーマスクに自身の得意技ドラゴンロケットを思わせるトペを浴びて排除された間に、T-Hawkがオカダにレインメーカーで仕留められてしまった。試合後、リングを降りた藤波はCIMAに促されて再びリングイン。勝者組全員と握手を交わし、ともに両手を挙げて拍手喝采を浴びた。

 試合後、藤波は敗れたものの前回は組んだオカダ、棚橋と戦ったことに「この前はパートナーだった。その時すでにもう戦いモードで、いつかやるという部分が自分の気持ちがあったけどね。やっぱり、結構重いね。自分がちょっと安定感が弱いのかもしれないけどね。でも、しっかりと体感できたから、次が楽しみだね。またちょっとやってみたくなるね」と充実の表情。再び古巣の新日本に参戦したことに「やっぱり育ったところだし、時間的には間が空きましたけど、新日本のリングっていうのはなんとなく、なんていうのか心地いいね」と感慨深げだった。

 勝利したオカダは「藤波さんと戦うこともできて、いい思い出っていうより、レスラーとして昔を感じることができるのは、まだ成長できたんじゃないかと思います」と実感。棚橋は「ちょっと冷静でいられないっていう…。最後リングで『ありがとうございました』って握手したんですよ。そしたら『棚橋、次はシングルな』…。リップサービスっていう部分も大いにありますけど、よしっ」とうれしそうな笑みを浮かべ、藤波と戦った印象について「何か熟成されたワインのような、僕はあまりワイン飲まないですけど、とにかくすごかったです」と話した。

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