王者・中谷潤人 8回TKO2度目防衛、無敗23連勝「相手が一気に落ちたのが分かった」
「WBO世界フライ級タイトルマッチ」(9日、さいたまスーパーアリーナ)
WBO世界フライ級王座戦は、王者の中谷潤人(24)=M・T=が同級2位の山内涼太(27)=角海老宝石=に8回2分20秒、TKO勝ちし2度目の防衛を果たした。
難なく2度目の防衛に成功した。「相手が一気に落ちたのが分かった」という8回。一気の連打で畳み掛け、試合を終わらせた。6連続KO勝利でデビューから23連勝。独特の角度があるアッパーを武器に挑戦者を追い詰めた。接近しても離れても格の違いを見せつけ、ジャッジ3人の採点はフルマークの完勝だった。
体重の上限が50・8キロのフライ級では長身の171センチ。体格の優位性はあるが、減量の負担は大きい。「気持ち的には」と言葉を選びながら、一階級上のスーパーフライ級への転向を見据えた。同じWBOには井岡一翔が君臨し、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)ら「タレントぞろい」と語る群雄割拠の階級。そんな中でWBAスーパー王者エストラーダ(メキシコ)との対戦を熱望した。
井上尚弥になぞらえ「ネクスト・モンスター」とも呼ばれる24歳の逸材。「まだまだおこがましい」と謙遜しつつも「『パウンド・フォー・パウンド』に入れる選手になりたい」と大きな野望を抱き、2階級制覇へ挑んでいく。
◆中谷潤人(なかたに・じゅんと)1998年1月2日、三重県東員町出身。小学校時代は空手を学び、中1時にボクシングを始めた。卒業後に米国で名トレーナーのルディ・エルナンデス氏に師事。15年4月プロデビュー。17年に初代日本フライ級ユース王座決定トーナメントを制した。19年2月に日本フライ級王座を獲得。20年11月にジーメル・マグラモ(フィリピン)との王座決定戦を制してWBO世界フライ級王座を獲得。171センチ。左ボクサーファイター。