真道ゴー 5・15プロテスト受験へ準備 JBC慎重に可否判断 ネックは男性ホルモン
日本プロボクシング協会(JPBA)が12日、定例理事会を都内で開き、2017年に引退した元WBC女子世界フライ級王者で、性別適合手術を受け男性ボクサーとして再デビューを目指す真道ゴー(34)のプロテスト受験を求める嘆願書を日本ボクシングコミッション(JBC)に提出することを承認した。
真道は引退後、性別適合手術、戸籍変更を経て、亜由佳夫人(38)と結婚。今は4歳になる双子の男女、1歳の次女と3人の父だ。
プロテストの年齢制限は34歳。7月18日に35歳の誕生日を迎える前に挑戦を決めた。昨秋から練習を始め3月22日には男子ボクサーを相手に本格的なスパーリングも再開した。
陣営は5月15日の受験を目指し準備する。5日には西日本の有力ジム会長らが真道のスパーをチェックし、問題なしと判断。この日、全国のジム会長らで構成するJPBAの理事会でも支援で一致。JBCへ嘆願書提出が承認され復帰の道を着々と固めている。
一方のJBCは簡単には許可できない。ネックは定期的に投与する男性ホルモン。真道側は「投与しても男性の通常値まで届かない」と主張するものの、ドーピングに該当するかの判断は難しい。
米国では18年、女性としてアマチュア王者になったパトリシオ・マニュエルが性別適合手術後、男性プロボクサーとして試合を行い判定勝ちした例はある。だが男女両性でプロのリングに上がった例はない。“人類初”の挑戦に、今後、医学やジェンダーの専門家をメンバーに検討チームを立ち上げる必要もある。加えてJBCは財政難で3月に解散し今は再建が最優先課題。JBC幹部は「道のりは遠い」と言う。