真道ゴー「いばらの道」覚悟、性同一性障害から戸籍変更、年内リング復帰目指す
ボクシングの元WBC女子世界フライ級王者で、性別適合手術と戸籍変更を経て男性となった真道ゴー(34)=グリーンツダ=が21日、大阪市内の同ジムで記者会見した。真道は「29歳の試合を最後に戸籍を代えて男性としての道を進むときめたが、ボクシングをやめたくてやめたわけではなかった」とし、「ずっと葛藤があった」と明かした。
昨年9月に男子としての再起を目指してトレーニングを再開。プロボクシングでは前例のない女子から男子への挑戦へ「ボクシングの過酷さは10年以上やってわかっている。どれだけ厳しいいばらの道か、中途半端な気持ちで上がれる道ではないとわかっている」と決意を述べた。「筋肉や骨格などの違いは(男子に)なりたくてなれるものではない。女子と違ういろんなものを感じると思う」。また「賛否両論の中でいろんな意見と向き合っていかないといけない」と覚悟を決めている。
所属ジムの本石昌也会長は、全国のジムが組織する日本プロボクシング協会(JPBA)からの支援を得た上で、5月15日のプロテスト受検を目指す意向を表明。しかし、ライセンスを発行する日本ボクシングコミッション(JBC)は現在、精算団体となっており、新たな受検は受け付けられないという姿勢を示しているという。そこで同会長は「来週にJBCへ出向いて申請を提出したい」と直談判も見据える。
また、受検が認められなかった場合は、ライセンスを再度取得することも視野に入れており、「年内に試合をさせたい。状態やスパーリングを見て総合判断するが、男子としてリングに上がる十分な力はある」と話した。
男子としてはスーパーフライ級かバンタム級に照準を合わせている。この日公開した2ラウンドのスパーリングでは、階級が上のフェザー級4回戦の男子をパワー、技術で圧倒。真道は「自信はまだまだだけど、プロになることができたら必ず勝てるよう、1からコツコツやっていく」とまずは1勝を目指す。
性同一性障害を公表していた真道は、17年に引退。性別適合手術を受けている。