完敗のドネア 大ダメージで会見できず TKO負けに陣営通じて「彼はとても強い」
「ボクシング・WBA・WBC・IBF世界バンタム級王座統一戦」(7日、さいたまスーパーアリーナ)
WBC同級王者のノニト・ドネア(39)=フィリピン=は、ショックを隠せなかった。WBAスーパー・IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(29)=大橋=と再戦し、2回1分34秒でTKO負けを喫した。
試合後は控室に戻ると、ダメージが大きいため、会見ができず。陣営を通じて「彼はとても強く、勝ちに値する選手でした。おめでとうと伝えたい」とのコメントを発表した。右目上をカットし、テーピング措置はしたものの、病院に行くほどのダメージではないという。
衝撃的な展開だった。1回、ドネアが仕掛け、左フックを繰り出したが、井上は「あれでぴりっとなった」と逆襲にあった。1回終了間際、井上の右クロスカウンターを食らってダウン。圧倒されたドネアは2回、2度、3度と膝が折れながらも耐えたが、最後はマットに沈んだ。
試合直後、リング上では寄ってきた井上と抱擁。「アリガトウ、コングラッチレーション」と祝福。退場の際には瞳に涙が浮かび、場内から大きな拍手が送られた。
激闘の末に尚弥が判定勝ちした「ドラマ・イン・サイタマ」と呼ばれる18年11月の前回対戦から約2年7カ月ぶりの再戦。井上は宿敵に敬意を示し、「ドネアがいたからこそ輝けた。ドネアが返り咲いて、ふたりでリングに上がったことが感動を生んだ。感謝したい」とうなずいた。