「ＴＨＥ　ＭＡＴＣＨ」（１９日、東京ドーム）

　前日計量が１８日、都内で行われ、出場３２選手全員がパス。日本格闘技史上最大の一戦と言われるメインイベントは那須川天心が５７・９５キロ、武尊が５８キロだった。計量後は、体を左右に小刻みに動かす那須川と、微動だにしない武尊が約２０秒間のにらみ合い。那須川が勝利のイメージについて「できている」と自信を示せば、武尊は「倒して勝ちます」とＫＯ勝利を誓った。

　紆余曲折を経て実現まで７年。２人にとっての集大成といえる決戦への最初の関門を突破した那須川と武尊が、自身のプライド、団体の名誉、ファンの期待を背負う絶対に負けられない思いを語った。

　会見では武尊が「今までやってきた人生、積み重ねてきたものをすべてぶつけて必ず勝ちます」と宣言。那須川も「やるべきことはすべてやりました。キックボクシング人生でやってきたことをすべて出し切って、しっかりと勝ちたい」と全力ファイトでの勝利を誓った。

　武尊が目指すのは「この試合に判定はいらない。倒して勝ちます」と、かねて口にするＫＯ勝利のみ。那須川は勝利のイメージが「できています」といい、「すべてにおいて見えるんですよ。この１、２週間ずっと研ぎ澄まされていて、これで負けたらしゃあないよねという感じ。何パターンも技を用意していますし」と自信を示した。

　今後について明言していない武尊は「試合は命の取り合いだと思っている。負けたら死と一緒。試合後の予定はなにも決めていなくて、何も考えていない」と覚悟を強調。ボクシング転向を表明している那須川は、この試合が決まってからはボクシングの練習を「ほぼしていない」といい、「俺はボクサーになるという気持ちは一回捨てました」と、この試合に全集中している。

　後は当日の戻し体重４キロ以内という、最後の関門を残すのみ。２人がけん引した格闘技新時代はもうすぐクライマックスを迎える。