武尊が涙ながらに無期限休養を表明 パニック障害とうつ病を公表「一回、歩みをストップ」
K-1ワールドGPスーパーフェザー級王者の武尊(30)=K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST=が27日、都内で会見を開き、格闘家人生を無期限休養することを表明。数年前からパニック障害とうつ病を患っていることも公表した。
武尊は会見場にベルトを持って現れ、「先日、那須川天心選手と試合をさせてもらい、敗れてしまいましたが、東京ドームで超満員の中で最高の相手と最高の試合をさせてもらった。ファン、関係者、天心選手、関わってくれた全ての方に感謝したい」とあいさつ。
目に涙を浮かべ、言葉に詰まる場面もありながら、「正直、試合に負けた時は悔しさもあり、これで終わりだなという気持ちもあった。だけどやっぱり、心のどこかでやり返したいという気持ちもあった」と試合後の心情を吐露した。
続けて今後について言及。「この10数年プロでやってきて、本当に酷使するやり方をやってきて、公表してないところもけがに悩まされ、それも含めて今回、格闘家として一回歩みをストップさせてもらい、休養させてもらおうかなと思います」と宣言した。
腰の分離滑り症、膝の内側側副靱帯と前十字靱帯損傷なども明かし、「心と体のコンディションを一回正常に戻して、新たなチャレンジができれば。一回、戦いの舞台からは離れようと思います」とした。
さらに「公表するか悩んだ」と慎重に言葉を選びながら「数年前から精神科にも通っている。パニック障害とうつ病と診断されていて、その部分が昔からあったので。そことうまく付き合いながら、今回の試合は約1年、決まるまでの数年間ですが、心が耐えられるのか不安もあったし、自分の心が壊れていっているのを感じて、体調が悪くなる時期もあって」と告白。トレーニングは続ける考えを示し、「一回しっかり休んで、最高の心と身体で戻ってくる。復活する姿を見せることが次の戦いかなと思う」と、復帰への思いも語った。
休養期間は未定。「いい意味で自分と向き合い、海外で療養しようかなと思います」とし、持参したK-1ワールドGPスーパーフェザー級王者のベルトを返上した。
武尊は19日に東京ドームで開催された格闘技イベント「THE MATCH 2022」で、日本格闘技史上最大の一戦と言われたRISE世界フェザー級王者の那須川天心(23)との試合で判定負け。試合後は号泣し、インタビューでは各方面への感謝と謝罪を口にするのが精いっぱいだった。