田中恒成 5回TKO新王者 4階級制覇再挑戦に意欲 井岡への雪辱メラメラ
「ボクシング・WBPアジアパシフィック・スーパーフライ級タイトルマッチ」(29日、後楽園ホール)
元世界3階級制覇王者で同級1位の田中恒成(27)=畑中=が、王者の橋詰将義(28)=角海老宝石=を5回TKOで破って新王者となった。2020年大みそかにWBO世界同級王者の井岡一翔(志成)に挑戦して敗れてから再起2戦目で2連勝となった田中は、再度4階級制覇挑戦をアピールした。
再び世界への道を切り開いた。序盤はリーチで13センチも上回る橋詰の長いパンチに阻まれて、懐に入れず苦しんだ田中。しかし、2回から徐々に距離感をつかみ、パンチを上下に打ち分けて何度も連打を浴びせて優位に立つ。そして5回、相手の右目上を切り裂くと、最後はロープ際で長時間の連打を浴びせてストップを呼んだ。
試合後は「内容は全然、いい動きではなかった」と振り返ったものの、「今回は結果とKO勝ちの気持ちよさを求めていたので、よかった」と安どの表情を浮かべ、再び4階級制覇に挑む意欲をアピールした。所属ジムの畑中清詞会長は、挑戦の時期は来年以降と見通しながらも「いろいろ事情があるだろうし、交渉していこうと思う」と話し、10月のWBO総会に田中と出席する考えを示した。
WBOの王者は井岡。7月13日の防衛戦を突破すれば再戦となる可能性もあるが、田中は「決まったチャンピオン、井岡選手でも誰でも挑戦します」と語り、相手は問わずに挑む。