加納陸 9・3大阪でWBOAP王座決定戦 フライ級での世界挑戦へ「圧倒して完封」
ボクシングの大成ジムが11日、兵庫県三田市の同ジムで会見を行い、9月3日にエディオンアリーナ大阪第2競技場で主催興行「三田から世界へVol.19」を開催することを発表した。
メインイベントではWBO世界フライ級5位の加納陸(24)=大成=が日本同級3位の井上夕雅(23)=真正=を相手に、WBOアジア・パシフィック同級王座決定戦を行う。セミファイナルではIBF世界スーパーフライ級8位の石田匠(30)=井岡=が登場(対戦相手未定)。また、昨年の全日本選手権ライトフライ級5位の尾崎優日(19)=大成=がタイ国ミニマム級2位のナランチップ・スングスット(タイ)とのプロデビュー戦に臨む。試合はテレビ大阪の公式ユーチューブチャンネルで生配信される。
加納はこの試合がフライ級転向2戦目。ライトフライ級ではWBO1位まで上り詰め、指名挑戦権を獲得できる状況だったが、昨年7月のWBOAP王座防衛戦の計量当日に倒れて鼻骨骨折するなど減量苦が限界に来ていたため、階級アップを決断した。
4月のフライ級初戦ではサンチャイ・ヨットブーン(タイ)に2回TKOで圧勝。丸元大成会長(46)は「フライ級でも王座を獲得して皆さんに納得していただいて世界戦に進みたい」と展望を語る。
前回の試合でフライ級が適正階級だと感じたという加納は「後の世界戦へ大事な試合。どんな展開でも圧倒して完封する」と試合のテーマを置いた。
16年8月に国内最年少世界王座奪取を狙って18歳9カ月で世界初挑戦。高山勝成に6回負傷判定負けしたWBO世界ミニマム級王座決定戦からもう6年が経過しようとしている。世界戦以降も2度の敗戦など苦い経験も味わった。「ここまで遅かったとも思わない。実力、経験を積むことができた。間違いなくプラスになっている」と世界再挑戦に向けた手応えを語る。WBO世界フライ級王者の中谷潤人(M・T)はスーパーフライ級転向の話も浮上しているため、ターゲットは絞り込めていないが、「チャンスがあればどこでも」と意気込んだ。
前座のライトフライ級6回戦では興国高時代に高校総体準優勝などのアマチュア実績を誇る尾崎がプロデビューする。幼い頃からの夢であった世界王者を目指し、3月に法大を中退。丸元会長によると「強い相手を」という本人の強い希望で新人王、日本ランカーにもオファーを出したが、すべて断られたという。「スピードでかく乱して一方的な展開をイメージしている。KOを意識しています」と尾崎はKO宣言した。