計量前に水1リットル 能嶋宏弥が体格差はね返し2階級上でWBOアジア・パシフィック王座獲得

 6回、野中悠樹(右)と激しく打ち合う能嶋宏弥
 新王者となった能嶋宏弥(右)をたたえる野中悠樹
能嶋宏弥(左)に敗れた野中悠樹=堺市産業振興センター(撮影・吉田敦史)
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 「ボクシング・WBOアジア・パシフィック・ミドル級タイトルマッチ」(24日、堺市産業振興センター)

 日本ミドル級3位の能嶋宏弥(26)=薬師寺=が、日本ボクシングコミッション(JBC)公認王座で国内最年長王者の野中悠樹(44)=渥美=を6回1分1秒TKOで下し、初戴冠した。2階級下のウエルター級を主戦場にする能嶋は、リミットの72・5キロを目指して減量ならぬ増量に努め、前日計量でも水を1リットル以上飲んで70・8キロでクリア。当日も72キロ程度とリミットより下だったが、その体格差をはね返した。

 サウスポーのベテラン王者に序盤からジャブ、ワンツーで先手を取った能嶋は、3回に右ストレートでダウン寸前に追い込んだ。6回にカウンターでワンツーをクリーンヒットとさせて相手に尻もちをつかせると、その後のラッシュでレフェリーが試合を止めた。

 試合が決まった2カ月前からスタミナを重視して走り込んだ結果、一時は体重が67・9キロに落ち、ミドル級の下限69・9キロにすら届いていなかった。相手とのパワーの差で「コーナーポストまで飛ばされることも覚悟していた」と振り返ったが「持ち味で勝負しようと思った」と腹を決めて戦った。

 今回の挑戦は、世界を目指す野中がコロナ禍やウクライナ情勢で海外での試合ができず、苦肉の策で組んだ国内での防衛戦の相手に選ばれたものだった。所属ジムの薬師寺保栄会長は「前評判では、うちが負けると思われていたので、見とけよ、このやろ~と思っていた。攻めて攻めて相手に動き回らせなかった」とまな弟子の金星をたたえた。

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