「ボクシング・３１５０ＦＩＧＨＴ　ＳＵＲＶＩＶＡＬ　ｖｏｌ．１」（１７日、メルパルクホール大阪）

　元世界３階級王者の亀田興毅ファウンダー（３５）が手掛けるボクシングイベント「３１５０ＦＩＧＨＴ　ＳＵＲＶＩＶＡＬ　ｖｏｌ．１」が行われ、メインイベントの日本スーパーフェザー級王座戦では王者の坂晃典（３０）＝仲里＝が６回５５秒ＴＫＯで同級３位・奈良井翼（２２）＝ＲＫ蒲田＝を退け、２度目の防衛に成功した。

　両者ダウン２度の激闘を、坂が逆転ＫＯで制した。日本王座初挑戦の奈良井の右ストレートを初回早々に浴びてダウン。流れを戻しつつある４回にも再び右で倒された。

　しかしここからが真骨頂だった。ダメージで足が動かない中、相手にしがみつき両者リングアウトする執念で４回のピンチをしのぐと、５回から反撃。右ショートのカウンターでダウンを奪い返し、６回に連打で再び倒す。再開後、一気にラッシュを仕掛け、レフェリーのストップを呼び込んだ。

　この試合は破格のファイトマネーでも話題を呼んだ。日本王者は相場１００万円のところ坂は４５０万円を受け取った。相場の２倍を現金で支払うことを確約している興毅ファウンダーは、さらに入札的な要素が加わり、４５０万円という破格の提示を出した。壮絶な倒し合いに「４５０万円に見合う試合をした。『はじめの一歩』の主人公と伊達の試合みたいだった。奈良井選手もまだ２２歳。これからの奈良井選手に期待したい」と激闘の両選手を絶賛した。

　坂は「やってしまいましたね」と２度のダウンを喫したことに苦笑いを浮かべながらも「応援してくださる方にはワクワク、ハラハラ楽しんでいただけたかな」と振り返った。今後については「自分からは何も言えない」としながらも、かつて勝利している東洋太平洋同級王者の力石政法（緑）との統一戦にも興味を示した。

　地元大阪で健闘及ばず散った奈良井は涙をこらえながら試合を振り返った。「いいパンチを当ててダウンも奪うことができましたが、チャンピオン強かったです。まだちょっと届かなかったです」。そして「また頑張ります」と再起を誓った。

　戦績は坂が２８戦２２勝（１９ＫＯ）６敗。奈良井は１０戦８勝（７ＫＯ）２敗。