アントニオ猪木さん死去から一夜 藤波「人生変えてもらった」燃える闘魂との別れ惜しみ感謝
元プロレスラーで参院議員も務めたアントニオ猪木(本名・猪木寛至)さんが心不全のため79歳で死去した翌日の2日、都内の自宅をゆかりの人たちが次々と弔問に訪れた。リング内外で長く支えた、元プロレスラーで新日本プロレス相談役の坂口征二氏(80)、プロレス入りしてすぐに猪木さんの付き人を務めた一番弟子と言えるプロレスラーの藤波辰爾(68)、同じく付き人だった元プロレスラーでタレントの高田延彦(60)らが燃える闘魂との別れを惜しみ、感謝した。
故人と対面した坂口氏は「やすらかだったよ」としみじみ。最後に会ったのは2カ月ほど前だという。50年以上に及ぶ猪木さんとの関係を「いい思い出ばかりですよ。悲しい思い出なんて何もない」と振り返った。
8月28日に猪木さんが日本テレビ系「24時間テレビ」に生出演したことには「ああいう姿を見るのはうれしくなかったな。胸が苦しい思いで」と複雑な心境を吐露。最後は「猪木さんには『ありがとうございました』の一言だね。まだまだ俺は頑張りますよ。年は俺が一つ上だけど」とメッセージを送った。
訃報に動揺したという藤波は「(猪木さんの顔を)見たら近づけなかったですね。いっぺんに涙が噴き出して」と感情を抑えきれず。自身は現役を続けており「猪木さんは自分の人生を変えてもらった恩人。入門のときの『頑張れよ』の一言でここまでリングに上がっている。猪木さんは『リング上は戦いなんだ』と」と、教えを胸に戦い続けることを誓った。
高田は「まだ実感がわかない。気持ちがまだ整理できない」と沈痛な面持ち。自身にとって猪木さんは「一言では言えない。神様、恩人、スーパーヒーロー」と語った。また、猪木さんの弟子で、世代闘争も繰り広げた長州力は「最後までよく頑張ったよ」と声をかけたという。思い出は「言っても伝わらないから」と多くを語らなかった。
“猪木イズム最後の伝承者”と言われる藤田和之、猪木さんが北朝鮮で開催したプロレス大会「平和の祭典」で出会ったことがきっかけで結婚した佐々木健介・北斗晶夫妻は、大粒の涙をこぼしながら「感謝しかない」と言葉を絞り出した。