ファイティング原田氏もジョフレさん悼む「そりゃあね、大変だよ。非常に残念」

 元ボクシング2階級制覇王者で「黄金のバンタム」と呼ばれたエデル・ジョフレさんが2日、肺炎による合併症のため、出身地のブラジル・サンパウロで死去した。86歳。

 ジョフレさんに2戦2勝、ただ1人勝利したボクサーであるファイティング原田氏(79)も会長を務める横浜市内のファイティング原田ジムで本紙の取材に応じ、天国へ旅立ったライバルを悼んだ。

 訃報を聞いたときの心境を「そりゃあね、大変だよ。非常に残念」と、簡潔ながらも強い言葉で表した原田氏。「チャンピオンとしてもすばらしい。人間的にもすばらしい。ジョフレみたいな選手になりたいと思っていた」と何度も繰り返した。

 ジョフレさんとの1戦目は原田氏の2-1の判定勝ち、最大2点差という大接戦。初黒星を喫したジョフレさんが笑顔で原田氏を抱擁したのが語りぐさとなっている。原田氏は圧倒的不利の下馬評だったが、「怖いなんて思ったことない。同じ人間なんだよ。負けたくないよ。俺は強いんだと思って、どんな選手でもやるんだと思って戦った」と振り返った。

 ジョフレさんに贈る言葉をたずねると、しばらく考え、「ごくろうさんだね」と一言。「負けていない選手に2回も勝ったんだから最高だよ。ああいう強い選手がいたから頑張れた。同じ時代にジョフレがいたからよかった」としみじみ語った。

 1980年代末には原田氏がブラジルにあるジョフレさんの自宅を訪問するなど引退後も交流は続いた。2人が最後に言葉を交わしたのは21年10月、米・ロサンゼルスを訪れたジョフレさんと日本にいる原田氏がリモートで対面したときだった。

 原田氏より先にジョフレさんに挑戦した故青木勝利さん、元世界フライ級王者の故海老原博幸さんとともに「フライ級三羽烏」と言われた原田氏。最後は「青木さんも海老原さんも逝って、ジョフレも…。俺だけだよ」とつぶやいた。

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