心不全のため１日に７９歳で死去した元プロレスラーで元参院議員のアントニオ猪木さん（本名・猪木寛至）の告別式が１４日、都内でしめやかに営まれ、関係者ら３５８人が参列した。

　祭壇は猪木さんの象徴だった赤い闘魂タオルをイメージした装飾が施され、喪主を務めた弟の啓介氏の案内の後、参列者が故人の前で御焼香。その後のお別れ会では猪木さんの胸元に闘魂タオルが置かれ、赤い花が棺のスペースいっぱいに手向けられた。

　出棺では、猪木さんのテーマ曲「炎のファイター」が流れる中、娘の寛子さんが遺影を持ち、闘魂タオルを巻いた新日本プロレス相談役の坂口征二氏、猪木さんの一番弟子である藤波辰爾の他、オカダ・カズチカ、棚橋弘至、中邑真輔、武藤敬司、蝶野正洋、藤田和之らレスラー、ＯＢ、多くの関係者が棺を霊柩車へ。最後は、新日本プロレス、ＩＧＦで活動したメイリングアナウンサー、田中ケロ氏の「永遠なれ闘魂！１９０センチ、１０５キロ、アントニオ猪木！」のコールとともに見送った。

　取材に対応した藤波は、師匠との最後の別れに「お見送りをさせていただきませたけど、気持ちはどこかで切り替えないといけない。でも、まだ猪木さんはここにいるような気がして。最後は言葉では、『ありがとうございます』しか出ませんでした。ゆっくりお休みくださいと言いました」と気丈にコメント。しかし、次第に目を潤ませ、「またゆっくり話をしたかったですね。言いたいことも、聞きたいこともいっぱいあったしね」とつぶやいた。