元世界王者の岩佐「怖かった」3階級上を相手に再起戦でKO星!再び世界目指す
「ボクシング・10回戦」(25日、後楽園ホール)
元IBF世界スーパーバンタム級王者の岩佐亮佑(32)=セレス=がフィリピン出身の日本フェザー級18位ゼネシス・カシミ・セルバニア(31)=カシミ=に4回KO勝ち。21年4月に敵地で行われたWBA・IBFスーパーバンタム級王座統一戦でムロジョン・アフマダリエス(ウズベキスタン)に敗れてからの再起に成功した。
この試合はフェザー級(上限体重57・1キロ)で行う予定だったが、セルバニア陣営の要望で2度変更になり、約5キロ重い62キロ契約で実施。さらに、セルバニアは600グラム体重超過した。それでも、岩佐は開始から鋭く伸びる右ジャブで距離を保って優位に試合を進め、最後は4回、左ボディーからの左アッパーKO。試合後のリング上では、3階級上にあたる体重での戦いを「怖かった」と振り返った。
岩佐はアフマダリエフに早すぎると思われるタイミングでのストップで敗れたことで、「あの負け方では18(歳)から始めたプロのボクシング人生はやめられない。納得してボクシング界を去るため」にフェザー級で再起を決意。今後について問われると、「この試合で勝っても負けても引退という文字もありました」といい、「プロ生活に納得できればいつでも辞められる覚悟はできています。失うものがないから、強い選手に挑戦できると思っています。フェザー級は世界で(選手)層が分厚いので、すぐに世界タイトルに行けるとは思っていないですが、一つ扉が開いたので、また一つ扉の前までいって戦ってきます」と、再度世界の頂点を目指すことを誓った。
インタビューでは、「ウズベキスタンで自分の(ボクシング)をできなくて終わってしまった。その悔いを残さないようにと考えると、打ち合うところは打ち合う。逃げない。そこを要所要所でやっていこうと思った。恐れずいけたかな、という感じですね」と満足顔。所属ジムのセレス小林会長は「岩佐は厳しいつらいところに自分から戻ってきたんだから、やるしかないだろうと話をした。調整試合とか一切するつもりはない。強いヤツとしかやらせない。一戦一戦が勝負。気持ちを作るのに限界がきていると思うので、岩佐がコイツならもう一回頑張ろうという気持ちを作れる試合を作ってあげたい」との方針を示した。