ボクシング前ＷＢＣ世界ライトフライ級王者の矢吹正道（３０）＝緑＝が４日、名古屋市緑区の所属ジムでキッズボクシングのスパーリング大会「ジュニア拳闘大会」をタキザワジムと主催した。

　この大会はボクシングの底辺拡大と子どもたちに目標を持って頑張ることの大切さを伝えるために矢吹らが中心となって立ち上げた。今年のこどもの日以来となる通算４回目の開催で、今回は３６人が参加。９月に行われた「Ｕ１５ボクシング全国大会」の優勝者も６人が出場した。

　大会にはボクシングに打ち込んでいる矢吹の長女・夢月さん（１２）、長男・克羽君（９）も参加。克羽君は全国優勝選手に２回ＴＫＯ勝ち、全国大会優勝者でもある夢月さんは男子選手に判定勝ちした。「理想の展開ではなかったけど、強敵に勝ったのでギリギリ合格点ですね」と父親も笑みを浮かべた。

　回数を重ねるごとに参加者も増え、レベルも向上している。「元々は大会に出場できるまでのレベルにない子どもたちに実戦機会を与えたいと思って始めた。参加希望者が増え続けているので来年はもっと大きな会場で開催したいですね」と意欲的に話した。

　矢吹自身は来年１月２８日に名古屋国際会議場でＩＢＦ世界ライトフライ級７位のロナルド・チャコン（３１）＝ベネズエラ＝との世界ランカー対決が控える。子どもたちの奮闘から、試合に向けての力ももらった。「しっかり準備していきます」と世界王座返り咲きへ必勝を誓った。