井上尚弥、4団体統一へ初心に返って黒髪「見せたことのないボクシングすることも」

 ベルトを手に記念写真に納まる井上尚弥(左)とポール・バトラー(撮影・棚橋慶太)
 黒髪を披露した井上尚弥(撮影・棚橋慶太)
 拳を合わせ健闘を誓う井上尚弥(左)とポール・バトラー(撮影・棚橋慶太)
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 「ボクシング・バンタム級4団体王座統一戦」(13日、有明アリーナ)

 会見が10日、横浜市内で行われ、WBA・WBC・IBF統一バンタム級王者の井上尚弥(29)=大橋=とWBO世界同級王者ポール・バトラー(34)=英国=が意気込みを語った。

 勝者が史上9人目の4団体統一王者となる歴史的一戦。尚弥は「いよいよという気持ちでいっぱいです。壇上に4本のベルトが並んでいるところを見るとやる気もましますし、バンタム級での最終章、いよいよだなという気持ちでいっぱいです」と、待ちに待った気持ちを語った。

 これまでは髪をブラウンやゴールドなどに染めてきたが、今回は黒髪で登場。黒髪で試合をするのは21歳のとき以来だといい、「髪の毛はその時の気分だったり、テンションだったり、すべて含まれて現れると思っているので、4団体統一戦に向けた意気込みとして初心に返ろうかなと、黒にしました」と理由を語った。

 この試合に向けての練習は前日に終えており、体重調整を残すのみ。初対面したバトラーの印象を「非常に調子も良さそう」と感じ取り、「全体的に優れたボクサーなので、気を抜かずに自分の仕事をするだけ」と表情を引き締めた。

 下馬評は尚弥が圧倒的に有利。試合を重ねるごとにファンの期待も高まる中での戦い方を、「4団体統一の最後の相手にナルポール・バトラー選手は、前戦の(ノニト)ドネアとスタイルが違って12ラウンドフルに使って戦ってくる選手。長引いたとしても対応する準備をしてきたので、KO決着であろうが判定決着であろうが、ボクシングの素晴らしさを伝えられたらと思う。今まで見せたことのないボクシングをすることもあると思うし、リングに上がってから直感力とひらめきで戦いたい」と話した。

 バトラーのトレーナー、ジョー・ギャラガー氏はディフェンスが尚弥の弱点と指摘している。だが、尚弥は「本当にディフェンスに徹底したら一発ももらわないであろう自信はある。ボクシングですから倒しに行くわけで、その中で被弾は少なからずあるわけで、実はディフェンスが一番得意というのを見せたい」と笑みを浮かべた。

 所属ジムの大橋秀行会長は、尚弥が9月に初めて行った米国ロサンゼルス合宿を経て「1・5倍ぐらい強くなった印象」といい、「スピードとパンチ力、1ラウンドから火を吹くと思う」と期待。尚弥も「技術がどうのこうのというよりも、精神的に1・5倍ぐらい強くなったじゃないかと思う」と感じている。

 一方のバトラーは勝てば英国で2人目、イングランドでは初の4団体統一王者となる。尚弥の印象を「非常にいい選手。いい選手と戦う。それだけ」と話し、「試合を楽しみにしているが非常に厳しい試合になる」と覚悟する。

 両者は握手を交わして写真撮影を行い、最後はグータッチをして別れた。

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