ボクシング亀田和毅がジム新設&移籍会見「来年は世界王者に返り咲く」井上尚弥と対戦希望
ボクシング元世界2階級王者でWBA世界スーパーバンタム級2位の亀田和毅(31)が、27日、「TMK GYM」新設と移籍の会見を開いた。同ジムは大阪市西成区に設立され、元協栄ジム会長の金平桂一郎氏(57)が会長を務める。和毅は今年4月からTRYBOX平成西山ジムに所属していたが、来年の世界挑戦を見据え心機一転の再出発となる。
西成は和毅の兄、元世界3階級制覇の興毅氏(36)、元世界2階級制覇の大毅氏(33)とともに3兄弟世界王者となった亀田家の故郷。和毅は「この新しいジムで来年、世界チャンピオンに返り咲きをする」と、決意表明した。
スーパーバンタム級にはバンタム級世界4団体制覇を果たした井上尚弥(大橋)が来年、階級を上げてくる。盛り上がる「日本人対決」を目標にしており、尚弥は大きな標的となる。和毅自身、フェザー級で3階級制覇を目指していたが、井上を待つ形でスーパーバンタムにとどまった。
「実現が1パーセントでもあればいいかなと。自分も1つ階級を下げて。同じ階級になれば、あとは団体が決めること。全部一致すれば」と、対戦を望んだ。
13日、尚弥の統一戦を会場で観戦。「一言で言えばすごい。日本でも世界でも、バンタム級では相手にならない」と強さを目の当たりにした。一方で「ボクシングは階級のスポーツ。一つ階級を上げるだけで変わる。スーパーバンタムに上げて今までのパワーを発揮できるかは分からない。もちろん(対戦が)実現すれば勝つ自信はある」と言い切った。
スーパーバンタム級は現在、WBA、IBF統一王者のアフマダリエフ(ウズベキスタン)、WBO、WBC統一王者のフルトン(米国)が君臨する。和毅はまずは2人の王者に照準。「まずはチャンピオンになって、井上選手と統一戦に持っていければいい」と、戦略を描いた。
「TMK」は和毅を示すジム名で新会長の金平氏も全面支援のため大阪に移った。東京の名門・協栄ジムは国内最多の世界王者13人を輩出。兄2人も所属し、海外を拠点にしていた和毅も16年10月に移籍し、18年11月にWBC世界スーパーバンタム級暫定王座を獲得。世界2階級制覇を果たした。
しかし、協栄は19年に実質的オーナーとの間で経営上の問題が起こり、東日本ボクシング協会に休会届を提出した。一線を退いていた金平氏は和毅とタッグを組むため、今年11月に西日本協会への転籍を申請し、活動を再開した。
今後は、(1)和毅の世界王者返り咲き(2)キッズの育成(3)少年院の慰問の3本を柱に、ジム運営をしていく方針。「亀田和毅を世界チャンピオンにするべく、大阪に移り住み、結束して頑張っていく」と金平会長も力を込めた。