【長谷川穂積の拳心論】ジャブが絶妙のフランコに苦しんだ井岡一翔 中谷との日本人対決に期待

 「ボクシング・WBA・WBO世界スーパーフライ級王座統一戦」(31日、大田区総合体育館)

 WBO王者で世界4階級制覇の井岡一翔が、WBA王者ジョシュア・フランコとの2団体統一戦で判定0-1の引き分けに終わった。ミニマム級と合わせ日本初の2階級で王座統一はならず、WBO王座は6度目の防衛となった。フランコは2度目の防衛。井岡は相手の豊富な手数に劣勢を強いられ、カウンターで逆襲したが攻略には至らず。ジャッジは1人が115-113でフランコを支持、2者が114-114だった。

  ◇  ◇

 手数とプレッシャーのフランコ選手か、手数は少ないが的確なパンチを打つ井岡選手か。今回の統一戦は、ジャッジがどちらに重きを置いてみるかで変わる難しい一戦だった。

 1回からフランコ選手は固いガードを盾にグイグイと前に出て、ジャブを繰り出すことでプレッシャーをかけてきた。井岡選手もコンビネーションにボディー攻撃を交えて応戦した。これまでの彼の戦い方なら、自分からジャブを当てることで、前に出ても下がってもペースをつかむことができた。

 しかし、今回はやや様子が違った。フランコ選手は単に手数が多いだけでなく、ジャブを出すタイミングが絶妙だった。0コンマ3秒くらいの差なのだが、フッと抜いたような時に、しかも前進しながら打ってきた。

 井岡選手からすれば、それに手数が加わって、いつもの戦い方でできなかったように見えた。しっかりブロックで対応しているのだが、相手の手数に追いつかず、もらってしまった。そんな苦しい中で右のクロスカウンターを合わせるなど、彼ならではのコンビネーションを見せたのは、経験のたまものだ。

 指名試合が義務づけられている中谷潤人選手は、過去最強の挑戦者になるだろう。今回、負けなかったことでビッグマッチにつながった。日本人対決でどんな試合を見せるのかが楽しみだ。(元世界3階級制覇王者)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

主要ニュース

ランキング(ファイト)

  1. 「タバコ消せ、タバコ消せ、オラ!」もはや放送事故 夜の繁華街路上で茨城喧嘩自慢が暴走大げんか 倒れた相手踏み付け場面も 伝説喧嘩師が動揺「待て待て待て待て」

  2. ボクシング 5・4ラスベガス再上陸の井上尚弥、渡米直前も幼なじみボクサーを応援 元Jリーガー山口聖矢1回TKO勝ちで感謝「負けられなかった」

  3. 瓜田純士の「親父」が「怖すぎるだろ…」衝撃写真にファンも驚き「これはやばい」「親子の面影ある」

  4. 【写真】元新日本プロレス専務、新間寿氏が死去、90歳「過激な仕掛け人」猪木VSアリ戦、初代タイガーマスクなどプロデュース

  5. 綺麗な顔を「ボコボコに」 WBA女子王者の黒木優子、25歳鈴木なな子に非情予告「顔は大事」 6・26フェニックスバトル

話題の写真ランキング

写真

リアルタイムランキング

  1. 永野芽郁 田中圭との不倫報道を事務所否定 本紙取材に「俳優としての先輩や仲間」も「誤解が生じる行動」と厳しく自覚促す

  2. 永野芽郁 田中圭との不倫報道を事務所否定 本紙取材に「俳優としての先輩や仲間」も「誤解が生じる行動」と厳しく自覚促す

  3. 田中圭 永野芽郁との不倫報道「泥酔して介抱してもらった」「不倫は否定」も事務所「とても言い訳の通りにくい出来事」と猛省求める

  4. 永野芽郁 田中圭は「とにかく寝癖がひどい」秘密を暴露

  5. 田中圭 永野芽郁との不倫報道に事務所「不倫はないと信じたい」が「とても言い訳通りにくい」本紙取材にコメント

注目トピックス