元東洋太平洋王者・大沢宏晋引退試合でダウン3度奪い有終 号泣「嫁さんに感謝」

 引退試合を終えた大沢宏晋(左)は亀田興毅氏から花束を贈られる(撮影・山口登)
 引退試合を判定勝利で飾った大沢宏晋(右)=撮影・山口登
 5R、大沢宏晋(左)はロープを背に樋口和輝と打ち合う(撮影・山口登)
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 「ボクシング・3150FIGHT vol.4」(6日、エディオンアリーナ大阪)

 元東洋太平洋フェザー級王者の大沢宏晋(37)=オール=が引退試合で樋口和輝(ARITOMI)とスーパーライト級5回戦を行い、ダウンを3度奪い、判定3-0の完勝で有終を飾った。

 試合後は愛する妻子をリングに呼び、テンカウントゴングで18年の現役にピリオド。「ずっとボクシングに費やして、嫁さんに申し訳なかった。コロナで試合ができない中、子供も授かった。嫁さんには感謝。いつも自分勝手にむちゃくちゃしているけど背中を押して感謝している」と、涙を流した。苦労人の大沢を慕う後輩ボクサーも多かった。「迷ったことあれば連絡してもらえれば、背中を押す先輩でいたい」と、大沢は話した。

 最後の対戦相手の樋口は試合前から「最後、派手に散るのもいい」などと挑発されてきた。怒りをうちに秘め、1回、左カウンター一閃(いっせん)でダウンを奪うと、続けざまに左のストレートを顔面に打ち込み、2度目のダウンを奪った。2回も左のストレートで相手を転がした。

 相手の攻撃を紙一重でかわす防御、的確な攻撃で格の違いを見せつけた。「大沢の壁が高いと思わせる試合ができた。20歳を超えた大人なら礼儀なり、リスペクトの気持ちを持って話したらいい。怒りはあったけどリングの上で礼儀なり、いろんな教育ができた」と、樋口に拳で伝えた。

 大沢は2004年デビュー。11年に東洋太平洋王座を獲得。16年に米ラスベガスで初の世界挑戦を行い、王者オスカル・バルデス(メキシコ)に7回TKO負けした。戦績は36勝(21KO)5敗4分け。

 介護士ボクサーとしても知られ、ファイトマネーを福祉施設に寄付。12年には介護施設を設立した。

 デビューの地、大阪府立体育会館(現エディオンアリーナ大阪)で幕引き。「(世界王者になる)夢を追っかけていく中で夢はかなうことはなかった。体はいけるけど気持ちがついてこない」と、完全燃焼した。

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