重岡銀次朗 まさかの無判定試合 世界王者ならず悔し涙「不完全燃焼。全然やり足りてない」

 納得がいかずレフェリーにアピールする重岡銀次朗(撮影・山口登)
 3回、偶然のパッティングで接触する重岡(左)とバラダレス
 無判定試合になり悔し涙を流す重岡銀次朗
3枚

 「ボクシング・IBF世界ミニマム級タイトルマッチ」(6日、エディオンアリーナ大阪)

 国際ボクシング連盟(IBF)は世界初挑戦の重岡銀次朗(23)=ワタナベ=が、王者のダニエル・バラダレス(メキシコ)に挑んだが、3回途中に偶然のバッティングで王者が負傷したため、IBFの規定により無判定試合となりタイトル獲得はならなかった。バラダレスのダメージが大きく、試合続行が不可能と判断された。

 人生“無敗”の男は初挑戦での世界奪取はならなかった。亀田興毅ファウンダーが「次世代の怪物」と期待を寄せる銀次朗の世界戦は、まさかの無判定試合に終わった。「いやもう不完全燃焼です。全然やり足りてない。自分でもよく分からないです」。無念さをにじませた。

 ペースを掌握しつつあった3回終盤、サウスポーの銀次朗と、オーソドックスの王者で偶然のバッティングが発生した。出血はないものの、苦痛に顔をゆがめた王者がダメージを強調。レフェリーが試合を中断し、ドクターの助言を求めた。会場から「やれるやろ!」との声が重なる中、レフェリーは続行不可能と判断した。

 3回2分48秒、4回を終えていないためIBFの規定により無判定試合。「いやウソだろ。今も悔しいし、この悔しさをどこにぶつければ…」。場内が騒然とする中、銀次朗は青コーナーに向かってしゃがみ込み、涙を流した。

 伝説への第1章とする決意だった。アマ時代に残る唯一の黒星は、開新高1年時の総体熊本県大会決勝戦。2歳上の兄・優大との対戦となり、兄弟対決を拒否して開始と同時にタオルを投げ入れた。銀次朗の中ではプロ、アマ通じて敗北は存在しない。

 この結末だけに再戦が濃厚となる。興毅ファウンダーは「何とかリマッチに持っていきたい」と直接再戦に動くことを明言した。「今すぐでも試合をやりたい」。銀次朗も悔しさを押し殺し、前を向いた。

 ◆重岡銀次朗(しげおか・ぎんじろう)1999年10月18日、熊本市出身。2歳上の兄・優大とともに幼少期から空手を始め、小学4年でボクシングに転向した。キッズ時代から頭角を現し、開新高時代には高校5冠。卒業後、ワタナベジムに入門して18年9月にプロデビュー。19年7月に4戦目でWBOアジア・パシフィック・ミニマム級王座を獲得した。22年3月には日本同級王座も獲得。身長153センチの左ボクサーファイター。

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