ボクシング・矢吹「どっちが勝ってもKO」IBF挑戦者決定戦の前日計量、両者リミットでパス
ボクシングIBFライトフライ級挑戦者決定戦(28日、名古屋国際会議場)に臨む同級8位で前WBC世界ライトフライ級王者の矢吹正道(30)=緑=が27日、対戦相手の同級7位ロナルド・チャコン(31)=ベネズエラ=とともに前日計量を行い、両者ともリミット48・97キロで一発パスした。
計量後は相手陣営からフェースオフを促されたが、矢吹が手で制して拒否。「計量の時からごちゃごちゃ言ってきた。聞く必要はない」と、ピリピリ感を漂わせた。
17日から21日まで関東に出稽古しスパーリング。その後、5キロの減量は「寒さがあり本当にきつかった」と、言いながらも乗り越えた。
チャコンの映像は見ていない。「自分のボクシングをしっかりして、型にはめて倒せたらいい。KO率の高い選手。どっちが勝ってもKOになる。ジャブをしっかり突いて自分のペースで中盤から後半、KOしたい。これに勝てば世界タイトルができる」と、闘志をあふれさせた。
矢吹は2021年9月に寺地拳四朗(BMB)をTKOで破りWBC王座を獲得したが同年3月の再戦で敗れ陥落。昨年9月の再起戦で24戦無敗(22KO)だったタノンサック・シムシー(タイ)を突破した。復帰2戦目の今回も28勝(20KO)1敗1分けの強敵が待ち受ける。
兄弟同時世界王者という夢のために負けられない。弟の力石政法(28)=緑=が6日にWBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級王座を獲得。世界初挑戦のチャンスを待ち、準備は着々と進む。
兄・矢吹にとって大いに発奮材料となっている。IBF王座を奪取すれば、その先は過去1勝1敗、WBC、WBA統一王者で4団体統一を狙う寺地拳四朗(31)=BMB=との決着戦も視野に入る。さらに矢吹はフライ級との「2階級制覇」の野心を持つ。
「ライトフライにこだわりはない。彼(拳四朗)は4団体統一かもしれないが、そこは自分のタイミングでやります」。まずは王座奪回への挑戦権をもぎ取る。