井上尚弥 気になるのは「フルトン」 対戦報道後初めて名前出した「第一に交渉」
ボクシングの前バンタム級世界4団体統一王者の井上尚弥(29)=大橋=が31日、都内のWOWOW放送センターで行われた『エキサイトマッチSP「井上尚弥」4団体王座統一戦!』の収録中、対戦したい相手を問われ、WBC、WBO同級世界統一王者のスティーブン・フルトン(米国)を真っ先に挙げた。対戦合意との報道にも「第一に交渉を進めている」と発言。ビッグマッチへ着々と準備を進めていることを明かした。
猛者ぞろいのスーパーバンタム級。新たなステージに立つ井上尚は、転向初戦の相手にフルトンを熱望した。収録中にWBA・IBF同級王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)、WBO1位のラエッセ・アレーム(米国)、WBC1位のルイス・ネリ(メキシコ)らの映像を食い入るように凝視。だが、気になる選手を問われるや「やっぱりフルトンですかね。報道にも上がってますけど」と迷わず答えた。
昨年12月にバンタム級4団体王座統一を果たし、先月13日に同王座の返上を表明すると早々とフルトン戦が浮上。米国では5月にも日本で対戦合意と報じられていることにも触れ、「まずそこで第一に交渉を進めているんじゃないですか」と否定はしなかった。相手が強くなればなるほど燃えてくるというタイプ。早速、対策を進めていることを明かし、「緊張感があるからこそ、すごいモチベーションでトレーニングができる。すごい試合ができるんじゃないか」と胸を躍らせる。
とはいえ、スーパーバンタム級での戦いは未知数。リミットはバンタム級より1・8キロ重くなる。さらにフルトンは身長、リーチとも井上尚を上回る。「フィジカルアップもやっている」と強化にも励んでいる。父・真吾トレーナーも「チャレンジ精神ですね」と、さらなる進化へハードワークを課していく覚悟だ。
「緊張感は今までで一番高いんじゃないですか」と、早くもビッグマッチへ向けてテンションは上がってきている。「とりあえず勝つ。何が何でも勝つという気持ちで」とKOよりも勝利優先の姿勢も見せた。デビュー以来、日本ボクシング界の歴史を塗り替えてきたモンスターが、新たな階級でも異次元のファイトを見せる。