「ボクシング・６回戦」（８日、有明アリーナ）

　キックボクシング４２戦無敗で“神童”と呼ばれ、ボクシングに転向した那須川天心（２４）＝帝拳＝がデビュー戦で、日本バンタム級２位の与那覇勇気（３２）＝真正＝に３－０（５９－５５、６０－５３、６０－５３）で判定勝ちした。

　初めての６ラウンドにも適応し、最後まで的確に有効打を当てつづけた内容の一方で、期待されたＫＯはならず、試合後、ツイッターでは議論が勃発し「天心のパンチ」がトレンド入りした。

　「パンチのスピードがすごい。パンチ力がって言われるけど、与那覇選手の打たれ強さじゃない？」、「与那覇選手の耐久力が凄いのか、天心選手のパンチ力が弱いのか判断が難しいところ」と言った意見や、「６ラウンドしかなかったし、日本の軽量級って元々そんなにＫＯ率高くない。井上尚弥が例外すぎるだけなんよ」と、“モンスター”井上尚弥が異次元すぎるだけとの声もあった。

　試合は１Ｒのゴングから与那覇がプレッシャーを掛けるように前に出てきたが、天心は落ち着いて対処。ボディ、左ストレートなど的確にヒットさせていった。２、３、４、５Ｒとカウンターの左ストレート、コンビネーションなどを当てながらと、キック時代のような変幻自在のフェイントやトリッキーなパンチも交えながら、相手を圧倒した。時にノーガードや、最終ラウンド前にはポーズを決めて相手を挑発。最後まで倒しきることはできなかったが、相手のパンチはほぼ被弾せず、最後まで圧倒し続けた。

　本人は試合後、「ダウンはとったが、倒せなかったのは課題」と、語った。