「ボクシング・６回戦」（８日、有明アリーナ）

　プロボクシングに転向してデビュー戦に臨んだ那須川天心（２４）＝帝拳＝が日本バンタム級２位の与那覇勇気（３２）＝真正＝をスピードで圧倒。３－０の判定勝ちで初陣を飾った“キックの神童”とリングサイドで見守った父の弘幸氏（５３）の裏話を担当記者が明かした。

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　入場シーンで那須川天心親子の絆が垣間見えた。登場曲はキックボクシング時代と同じ、矢沢永吉さんの「止まらないＨａ～Ｈａ」を使用。「まあ、矢沢っすよね。矢沢さんの曲じゃないと俺じゃない」。入場時に天心も口ずさみ、自分を勇気づけてリングに登場した。

　「僕が熱狂的なファンだから」と自任する父・弘幸さんの“永才”教育を受け、親子２代で永ちゃんのファンとなった。実は天心が１４年のプロ格闘家デビュー当初から同曲の使用を試みたが、弘幸氏に「お前、まだ早いよ。タイトルマッチまでいったら使わせてやる」と却下されていた。

　初めて使用したのはタイトルを取った１６歳からだ。「いろいろな競技でも、あの曲を使う人はいない。すっかり天心の曲になっちゃったね。親孝行だなと思いましたよ」と弘幸氏。おかげで大ファンの永ちゃんとも会えるようになった。厳しい父も、この時ばかりは孝行息子に感謝したはずだ。（デイリースポーツ格闘技担当・水足丈夫）