【長谷川穂積の拳心論】「天心のボクシング」 那須川選手にしかできないスタイル目指して

 「ボクシング・6回戦」(8日、有明アリーナ)

 プロボクシングに転向してデビュー戦に臨んだ那須川天心(24)=帝拳=が日本バンタム級2位の与那覇勇気(32)=真正=をスピードで圧倒、3-0の判定勝ちで初陣を飾った。キックの神童が見せたパフォーマンスを3階級制覇の元世界王者・長谷川穂積氏(42)が解説した。

  ◇  ◇

 那須川選手は、6回戦ボクサーとしては100点の試合だった。キックの破天荒な動きを落とし込んで、面白いボクシングを見せてくれた。ボクサーでは絶対にしない動き、絶対に教えられない動き。例えばグッとためて左を打つとか、ジャンプして打つとか。

 あんなのはダメだという声もあるかもしれない。でも、僕は彼の「“天心のボクシング”を見せます」という姿勢がよかったと思う。ナジーム・ハメド(トリッキーな戦法で主要3団体を制した世界フェザー級王者)が認められたように、天心にしかできないボクシングを目指してほしい。(デイリースポーツ評論家)

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