ボクシングのミニマム級元世界主要４団体王者、高山勝成（３９）＝寝屋川石田＝が１４日、大阪市内の所属ジムで会見し、現役続行を宣言した。加えて、大阪府の高校公民の教員免許を取得したことを発表し、来年以降、異例の“元世界チャンプ先生”として、教育現場に立つ希望も明かした。

　再起戦は６月１１日、京都での興行でライトフライ級８回戦を予定。相手は未定ながら「ふさわしい相手」と所属ジムの元ＷＢＡ世界スーパーウエルター級暫定王者・石田順裕会長。５月１２日に４０歳となる高山にとっては世界２階級制覇に向けた試金石になる。

　高山は２１年５月に米国・ダラスで２階級制覇を狙いＷＢＯ世界ライトフライ級王座に挑み、９回ＴＫＯで敗れた。「ダラスで止まっている時計を動かす。（やり残しは）世界タイトル奪還、２階級制覇」と力を込めた。

　大阪市出身の高山は中学卒業後、ボクシング一筋。２０００年にプロデビューし、２１歳時の０５年にＷＢＣ世界ミニマム級王座を奪取。０６年にはＷＢＡ世界同級暫定、１３年にはメキシコでＩＢＦ同級王座、１４年にＷＢＯ同級王座を奪取し、日本初主要４団体制覇王者となった。

　２０１７年、ＪＢＣ（日本ボクシングコミッション）に引退を届け出て東京五輪出場を目指してアマチュアに転向。夢には届かず、２０年３月、プロに再転向した。戦績は３２勝（１２ＫＯ）９敗１無効試合。

　まずは世界王座奪還に集中。同時に教育現場で指導する夢も模索していく。高山は現役世界王者だった３０歳時、名古屋市守山区の私立菊華高校普通科のスポーツアクトコースに入学。高校卒業資格を取り、３３歳で系列の名古屋産大に進学した。２１年春に３７歳で卒業し、昨年は教員免許のための単位を取得した。

　「３０歳の時のクラスメートに高山さんはまだやっている、俺も負けてられないと感じてもらえたら。日々勉強。タイトル戦の時に（菊華高の）全校生徒からエネルギーをもらった。自分も何か伝えていきたいと思い教員を目指した。（理想の先生像は）金八です」と、生徒思いの熱い高山先生を目指すことを誓った。