元女子世界王者の真道 男性ボクサーとして復帰目指し1年以上 JBCに早期の結論を訴え 4月中リミット

 ボクシング元WBC女子世界フライ級王者で性別適合手術と戸籍変更を経て男性ボクサーとして復帰を目指す真道ゴー(35)=グリーンツダ=が16日、大阪市内で会見し、JBC(日本ボクシングコミッション)にプロテスト受検の可否に関して早期の結論を求めた。

 真道陣営は1年以上前から異例の挑戦を求め、JBCと協議してきた。真道は「モチベーションもある。どういう状況なのか、いつメドが立つのか、もうそろそろはっきりしていただきたい。体重もある、トレーニングもそう。どこに重きを持っていけばいいのか分からない」と、苦しい状況を吐露した。

 昨年8月7日には興行内で「事前評価スパーリング」を実施。全国のジム会長らで構成する日本プロボクシング協会から全面的な後押しを受ける。今年3月上旬に最終的な諮問委員会を開催。ジェンダーや身体的な問題がクリアされれば、理事会を経て最終判断される流れだった。

 しかし、同ジムの本石昌也会長によれば「JBCは(諮問委員会から)答申書が出ていないので理事会が開けないと。理事会が開けないので承認もできないと。今月は3日に1回、JBCに電話していますが、ずっと同じやりとりばかり。(真道には)心苦しい思い」と、JBCのスピード感に疑問を呈した。

 世界でも女性プロボクサーが性別を変更して男性プロのリングに立つことは前例がない。JBCも慎重な姿勢を崩せないものの、貴重な時間だけが経過する。真道も7月18日で36歳になる。

 メンタル的にも限界。和歌山市で事業も営み従業員を抱える経営者でもある。大阪のジムに通い、スパーリングも週1でこなしてきた。昨年11月には4人目となる次男も誕生。夫人からも「体は大丈夫なのか?」と言われ心配をかけている。

 性同一性障害に悩んできた真道は17年に引退。性別適合手術を受けて、戸籍も男性に変えた上で結婚。4人の子供に再びリングに立つ姿を子供に見せたい夢がある。「気持ちは燃やし続けているけど、メドが立たない。本当に結論を出してくれるのか、後回しになっているのではないか」と口にした。

 本石会長は「結論を出して欲しい。できるのか、できないのか。35歳のボクサーがかわいそう」と話し、中ぶらりんの状況が真道を追い込んでいる。

 「今月中は待ちます。(不許可なら)海外でリングに上がるかもしれない。今月まで待って今後は判断する」と、4月いっぱいを回答期限に定めた。

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