加納陸 世界前哨戦で辛くもドロー防衛「首の皮一枚つながった」目を腫らし合格には程遠く

 8回、亀山大輝(右)と激しく打ち合う加納陸
12回、亀山大輝(右)と激しく打ち合う加納陸(撮影・風斗雅博)
12回、亀山大輝(右)に強烈なパンチを浴びせる加納陸(撮影・風斗雅博)
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 「ボクシング・WBOアジアパシフィック・フライ級タイトルマッチ」(16日、エディオンアリーナ大阪第2競技場)

 王者・加納陸(25)=大成=が同級10位・亀山大輝(26=ワタナベ)と判定1-1の引き分けで辛くも初防衛した。戦績は加納が25戦20勝(10KO)4敗2分け、亀山が16戦10勝(3KO)5敗2分け。

 WBO世界同級3位にランクし、世界再挑戦への前哨戦と位置付けた一戦で大苦戦を強いられた。序盤に右目を腫らし、視界を奪われた。中盤も劣勢をはね返せず、最後はスタミナで上回り、敗戦を免れるのがやっとだった。

 試合前に右肘を痛め、スパーリングがほぼできない調整だった。右目を冷やしながら会見した加納は「(負傷は)どの選手でもある」と言い訳にしなかった。「右目は見えていなかった。距離感が分からなかった」と肩を落とした。「首の皮一枚つながった。今のランクに残れた」と、力なく話した。

 丸元大成会長もショックを隠せない。「12ラウンドのキャリアだと思う。右肘の腱を痛めてスパーリングは20ラウンドもしていない。よく頑張ったと思う」と評価する一方で、「きょうの出来ではちょっと…」と、世界前哨戦としては、合格には程遠かった。

 16歳でプロデビューした加納は、2018年8月、18歳でWBO世界ミニマム級王座決定戦に臨み、元世界王者の高山勝成に完敗。敗戦を糧にアジアで計5本のベルトを奪取。7年の時を経て、世界へ再び挑む準備を整えてきた。

 今後はまずは右肘を治し、万全の状態とするのを最優先。世界戦のオファーを待つ意向ながら、「うちはチャレンジする身。僕から話すのは控える。いつ(世界戦が)決まってもいいようにしっかりトレーニングしたい」と、会長のトーンは上がらなかった。

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