高山勝成を指導する名伯楽「拳四朗?勝てるよ」 四半世紀をともに過ごしたトレーナーの思い
ボクシングのミニマム級元世界主要4団体王者、高山勝成(39)=石田=が6月11日、40歳で2年ぶり再起戦に臨む。悲願の世界2階級制覇を目指す高山と、ともに歩んできたトレーナーの絆を担当記者が明かした。
◇ ◇
21年の敗戦から2年ものブランクは、高山が14歳で出会って以来、四半世紀も二人三脚で歩んできた中出博啓トレーナーが首を縦に振らなかったのが要因。「僕より落ち込んでいた」と高山が何度、顔を見に行っても「意思疎通ができなかった」と、ボクシングの話は“禁句”だった。
昨年末、再起への決意を伝えられた中出氏は「勘弁しろや」が本音。それでも「高山の気持ちは分かっていた。やり残しがあるんやろ。試合をやめる決断は俺の仕事」と、最後を見届けるのは自身の義務と受け入れた。
やるとなれば戦闘モード。優秀なトレーナーに贈られるエディ・タウンゼント賞も取った名伯楽は言う。「拳四朗?勝てるよ。高山は日本人相手に負けていないやろ(対日本選手は5連勝中)」とライトフライ級世界2団体統一王者・寺地拳四朗(BMB)に早くも揺さぶり!?最高のコンビが、軽量級覇権争いに戻ってきた。(デイリースポーツ・ボクシング担当・荒木 司)
◆高齢プロボクサー 45歳で現役の野中悠樹(渥美)が国内男子最年長。41歳2カ月でJBC公認タイトル史上最年長となるWBOアジアパシフィック王座を奪取。44歳7カ月まで王座に君臨した。国内女子は池山直の44歳7カ月での世界王座奪取が最年長記録。池山は52歳で公式戦に出場、53歳で引退した。国内男子で世界王座奪取の最年長記録は長谷川穂積の35歳9カ月、世界ではバーナード・ホプキンス(米国)の49歳3カ月。
◆プロボクサーの定年 17歳以上36歳までで、37歳に達したボクサーのライセンスは自動的に失効する。ただし現役王者、元王者(日本、東洋太平洋、世界)、世界挑戦経験者、世界ランカー(15位以内)はJBCの診断をクリアすれば、定年が延長される。