4年ぶり勝利の山本アーセン「呪いが解けた」 レスリングスタイルで圧倒「KIDではなくアーセンの道を」

 伊藤裕樹(下)を攻める山本アーセン(撮影・佐々木彰尚)
 母・山本美憂(下)と抱き合う山本アーセン(撮影・佐々木彰尚)
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 「RIZIN.42」(6日、有明アリーナ)

 3年ぶりの復帰戦となった山本アーセンは伊藤裕樹に気迫あふれる攻めを展開し続けて圧倒。判定3-0で完勝し、19年6月以来4年ぶりとなる白星を飾った。勝ち名乗りを受けると、思わず涙した。

 試合後は「やっとゆっくり寝られるような気がします。呪いが解けて良かった。何のために生きてるのかわからなかったので、一人だったらキープできてないし、キープするのがすげえ大変でした。それが一番ツラかったです。自分の望んだ結果でないですけど、結果が出て感謝しています。家族、仲間に感謝しています」と、喜びを噛み締めた。

 “最強一族”の継承者として15年の大みそかにデビューしたが、ここまでMMAでは3勝5敗と黒星先行。20年以来リングから遠ざかり、バンタム級からフライ級に転向して再起をかけた。

 第1Rから積極的にプレッシャーをかけていくと、組み合いからバックをとって優位な体勢を作った。再び相対すると、タックルから一気に攻勢をかけて、終始主導権を握った。第2Rも序盤からグラウンド戦で優位に立つと、的確にヒザ、パンチを入れていき、バックドロップも繰り出した。終盤に伊藤の右ヒザがローブローに入り、苦悶の表情を浮かべる場面も。それでも攻め手は緩めず、パウンドから打撃を繰り出した。第3Rは伊藤のパンチを被弾し、右目下をカットしたが、それでも最後まで攻めきった。リングサイドで見届けた母の山本美憂は、試合終了のゴングと同時に涙した。

 レスリングスタイルにこだわった形での勝利に「100%成功とは言えないですけど、やっぱうちの叔父が山本KIDというイメージがあるけど、俺は俺で山本アーセンの道を究めていけたら」と、見据えた。

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