中谷2階級制覇 12回終了直前に強烈左フック!ベガスで失神KOショー「統一戦やりたい」

 2階級制覇を果たし、ベルトを肩にかける(トップランク社提供、ゲッティ=共同)
 WBOスーパーフライ級王座決定戦でアンドルー・モロニーからダウンを奪い、右手を上げる中谷潤人(トップランク社提供、ゲッティ=共同)
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 「ボクシング・WBO世界スーパーフライ級王座決定戦」(20日、ラスベガス)

 前WBO世界フライ級王者の中谷潤人(25)=M・T=が、アンドルー・モロニー(32)=オーストラリア=に12回2分42秒、KO勝ちした。試合終了直前、カウンターで強烈な左フックを浴びせて相手を失神させるという衝撃KO決着。2階級制覇を達成した怪物サウスポーは、早くも他団体王者との統一戦に意欲を燃やした。プロ戦績は無敗の25連勝(19KO)。

 アメイジングなKOショーで、中谷が本場ラスベガスの度肝を抜いた。12回終了ゴング直前。前にかがみ込むように頭を下げながらカウンターで振り抜いた強烈な左フックが、モロニーの顔面に無慈悲にめり込んだ。「ずっと練習してきたパンチだったのでスムーズに出て、感覚もなく倒せた」。拳の勢いとともに相手は真後ろに倒れ、あおむけで失神ダウン。レフェリーがすぐに止めた。2階級制覇を成し遂げた怪物サウスポーは「すごく興奮した。大きい舞台でいい勝ち方ができてとてもハッピー」と勝ち誇った。

 距離を詰めてくる相手に対し、長身とリーチを生かして多彩なパンチを打ち込み、主導権を握った。2回には電光石火の左右のアッパー連打でアゴを捉え、最初のダウンを奪取。3回にはバッティングで眉間をカットし流血したが、「(試合を)止められたくないので、さらに攻撃を強めた」という。

 6回は左フックを被弾したものの攻め手を緩めず、11回にはお手本のような左ストレートをクリーンヒットさせ2度目のダウンを奪った。タフな難敵を終始圧倒し、衝撃フィニッシュにつなげた。

 目の肥えた観衆から喝采を浴び「いいパンチが当たると歓声が聞こえてきて気持ちよかった。いい舞台を用意していただき、いい形で倒せたのは、高い点数をあげていいんじゃないか」と意気揚々。2階級制覇を果たしたばかりだが、すでにスーパーフライ級戦線で敵なしの雰囲気すら漂う新王者は「まだまだベルトを取りたい。統一戦をやりたい気持ちはすごくある。(相手)チャンピオンは誰でも(いい)」と気持ちを高ぶらせていた。

 ◆中谷潤人(なかたに・じゅんと)1998年1月2日、三重県東員町出身。小学生時代は空手を学び、中学1年からボクシングを始めた。中学卒業後に米国に渡り、名トレーナーのルディ・エルナンデス氏に師事。15年4月にプロデビューし、17年に初代日本フライ級ユース王座決定トーナメントを制した。19年2月に日本フライ級王座を獲得。20年11月にWBO世界フライ級王座を獲得。171センチ。左ボクサーファイター。

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