与那覇勇気が復帰決意「このままでは終われない」那須川天心戦から再起戦は8・5 相手は井上尚弥と戦ったペッチバンボーン
ボクシングの真正ジムは19日、神戸市の同ジムで8月5日に神戸市立中央体育館で所属選手による3大タイトル戦を行うことを発表した。メインイベントはWBOアジア・パシフィック・ミニマム級王者の小林豪己(24)で、日本ライトフライ級1位の芝力人(27)、WBO女子世界アトム級王者の黒木優子(32)がそれぞれ王座戦を戦う。
アンダーカードは、4月に那須川天心(帝拳)のデビュー戦で判定負けした日本バンタム級8位の与那覇勇気(32)の復帰戦が組まれた。相手には、2016年にWBO世界スーパーフライ級王者時代の井上尚弥(大橋)と対戦し、10回KOで敗れたペッチバンボーン・ソータナピン(当時ゴーキャットジム)=タイ=を迎える。
進退を一時保留していた与那覇は、今月に入って最終的に復帰を決意。「シンプルにこのままでは終われない。チャンスをずっともらってきて、結果で返していないので、そろそろ一発ドカンと結果で返したい」と意気込みを語った。
現役続行を後押ししたのは、あるファンとの出会いだった。4月の那須川戦後、同ジムの先輩で元3階級制覇王者の長谷川穂積氏が神戸市内で主催したボクシングイベントを訪れた際、若い男性ファンから「勇気をもらいました」と声をかけられた。
「ボコボコにされただけの試合でそう言っていただいた」と恐縮したが、その後「その方のインスタをフォローしたら、重い病気と戦っておられる方だと知った。自分とは比べものにならない戦いをしている」と知った。
「逆に自分が勇気をもらった。自分は好きで戦っているが、その方みたいに命をかけて戦っているかというと甘かった」と与那覇。「もっと命を燃やして戦っていこうと。(復帰の)決め手のひとつになった」と振り返った。
相手のペッチバンボーンは64戦51勝(25KO)13敗の長い戦績を持つ強豪だ。18戦12勝(8KO)5敗1分けの与那覇は「歴戦の猛者で、井上尚弥選手との世界戦ではタフな印象」と警戒。それでも「絶対倒れないやつと、絶対倒すやつと、どっちが上回るか」と不退転の決意をにじませた。