【長谷川穂積の拳心論】“超”技術戦を制した井上尚弥 パンチの打ち分けとその威力
「ボクシング・WBC・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(25日、有明アリーナ)
同級1位の井上尚弥(30)=大橋=が2団体王者のスティーブン・フルトン(29)=米国=を8回TKOで破り、19年の井岡一翔(志成)に続く日本男子2人目の世界4階級制覇を達成。井上尚が見せたパフォーマンスの凄みを3階級制覇の元世界王者・長谷川穂積氏(42)が解説した。
◇ ◇
階級を上げた初戦が、いきなりの統一戦。井上尚選手は超技術戦と言える試合でしっかりと相手を仕留めた。序盤から主導権を握っていたが、無敗でうまさのあるフルトンは上体が柔らかく、足も動くので仕留めるのは難しい。また、3回からは前に出てポイントを取り始め、井上尚選手がいいパンチをもらう場面もあった。
互いに相手の出方を考えながらの試合は、体力だけでなく脳のスタミナを消耗する。こういう試合は、8回頃からお互いにふと気が抜ける瞬間がある。今回は、フルトンがジャブをついて一瞬、気を抜いたところでストレートを食らった。井上尚選手が、パンチの打ち分けとその威力で、相手との神経戦を制した形だ。
バンタム級から1・8キロ重いスーパーバンタム級へと階級を上げたタイミングもちょうどよかった。もちろん、ウエートを上げると相手の耐久力も増す。ただ、減量が軽くなったことで練習に集中できるし、パワーも上がる。無理やりウエートを上げたわけではないので、この日もパンチ力は増していた。
5年ぶりだった挑戦者の立場も、王座を守り続けるのとは違うモチベーションがあっただろう。次に狙うのは2階級目の4団体制覇でタパレスがターゲットになるが、彼はまた王者になったばかり。僕は元世界3階級制覇王者のジョンリール・カシメロ(フィリピン)のような、スーパーバンタムのナチュラルウエートでパンチのある選手との戦いを見てみたい。
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