尚弥戦の前座で起こった反則行為 JBCが映像再検証へ ダウン後の加撃への対応に疑問の声
今月25日に有明アリーナで、前4団体世界バンタム級王者の井上尚弥(30)=大橋=がWBC・WBO世界スーパーバンタム級統一王者となった世界戦の前座カードで起こった反則行為に対して、日本プロボクシング協会などから日本ボクシングコミッション(JBC)に検証が依頼されていることが30日、わかった。第5試合で行われた岩下千紘(駿河男児)と高原裕之(千里馬神戸)の58・5キロ契約8回戦で、試合は岩下が4回1分40秒にTKO勝ちした。
当該の反則行為は、1回の残り25秒から起こった。岩下の右でロープ際になぎ倒された高原に対して、染谷路朗レフェリーがダウンを宣告。しかし、岩下は倒れている高原にさらにワンツーを打ち込んだ。また、この回のゴング間際にもスリップで倒れた高原に右フックを浴びせた。
この回のインターバルで同レフェリーが岩下に注意し、ダウン後の加撃については2回に入って1点の減点がされた。しかし、高原は無防備な状態でパンチを受けており、ダメージの蓄積が否めない状態だったため、減点のタイミングや高原に回復のための時間的措置が取られなかったなどの危険性が、関係者から指摘されていた。
高原の所属する千里馬神戸ジムはこの日、JBCに、レフェリーの判断を含めた試合内容の再確認を依頼。それに対してJBCの安河内事務局長は「(日本プロボクシング)協会からも声が届いている」とし、改めて映像で検証する方針を示した。