井上尚弥 タパレスに完勝宣言「圧倒的強さで」 1年で2階級統一のスピード偉業へ 「自分の力が出せる階級」

 「ボクシング・世界スーパーバンタム級4団体王座統一戦」(12月26日、有明アリーナ)

 ボクシングの大橋ジムは25日、横浜市内のホテルで会見を開き、WBC・WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥が12月26日に東京・有明アリーナでWBAスーパー・IBF統一王者のマーロン・タパレスと4団体王座統一戦を行うと発表した。史上2人目の2階級4団体統一を目指すモンスターは「圧倒的な強さを見せて勝ちたい。何もさせない」と、完勝で2023年を締めると誓った。

 黒で統一されたファッションで登壇した井上はタパレスを必ず倒し、歴史の1ページに名を刻むと力強く言った。「23年内には4団体統一ができそうです。ものすごいデカい試合になる。圧倒的な強さで、見ていただく方にKO決着をお見せしたい」。昨年12月、4年7カ月かかって成し遂げたバンタム級4団体統一。それからわずか1年というスピードで、2階級4団体統一の偉業を果たす瞬間がやってくる。

 言葉には自信をみなぎらせたが慢心はない。タパレスの映像は入念にチェック済み。その上で「ゴリゴリのファイターという印象を持っていたが、上体の柔らかさ、ディフェンスの良さ、思った以上に技術の高い選手。1年前の4団体統一の気持ちとは違う。危機感は違う」と、かなりの警戒感を示す。

 相手は強敵と警戒しながらも、みなぎる自信は抑えられない。転級初戦7月のフルトン戦、頭脳明晰(めいせき)な技巧派にTKO勝ちし、より自信を深めたという。「自分の力が出せる階級だと7月の試合で改めて感じた」。減量苦に悩まされずにいい状態を維持できているという。

 現在、メキシコ人のIBO王者らサウスポーとスパーリングをこなす。タパレスと同じフィリピン人の相手も候補に挙がっていたが、「話が漏れそうなので、メキシコ人にしてほしいと伝えた」と万全の注意を施し、12月のビッグマッチに備えている。

 井上とともに登壇した大橋秀行会長は「試合をする度に歴史的一戦になっているが、今回はモンスター伝説の新たな始まりという試合になる」。30歳になり、心技体とも充実一途のモンスターの偉業達成を確信しているようだった。

 ◆勝てば史上2人目の2階級4団体制覇 井上が勝てばバンタム級に続き2階級での4団体制覇を達成する。史上初めて達成したのはテレンス・クロフォード(米国)で、17年8月にスーパーライト級で4団体統一王者になると、今年7月にウエルター級で3団体王者のエロース・スペンス・ジュニア(米国)に9回TKO勝利し、2階級4団体統一を果たした。

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