元女子世界王者・真道ゴー 男子初リングは判定負け JBC「半歩前進」歴史的9分間を高評価
「ボクシング・準公式試合・3回戦」(10日、エディオンアリーナ大阪第2競技場)
ボクシングの元WBC女子世界フライ級王者で性別適合手術と戸籍変更を経て男子ボクサーとして真道ゴー(36)が準公式戦(バンタム級3回戦)に臨んだ。7年半ぶりにリング復帰を果たしたが、試合では現役男子プロの石橋克之(35)を相手に最終3回にダウンを奪われるなど、判定0-3で完敗。去就に関しては今後熟慮するものの、視察したJBC(日本ボクシングコミッション)は内容を高評価した。
異例の注目の中、真道が力を出し切った。1回、的確にジャブをヒットさせスピードで主導権。2回以降は激しい打撃戦で満員の会場を沸かせた。最終3回、被弾しダウンを奪われたが「取り返す。倒す」と根性。最後まで壮絶に打ち合った。
判定0-3で完敗にもすがすがしい表情。「悔しいけど、7年ぶりのリングで拳を交えて戦えたことは純粋に楽しかった。技術で劣っていなかった」。元女性ボクサーが現役男子プロを相手に歴史的な9分間となった。
同戦は公式レフェリーが裁き、採点も公式戦同様。グローブも8オンスを使用。JBC幹部が視察し、男子プロボクサーしての可否を判断する査定マッチでもあった。
萩原実理事長は高評価し「半歩前進」と今後に道がつながったことを明言した。ただ即男子プロとは認められず準公式戦で再び査定を受ける必要がある。
36歳の年齢、ケガを抱える体で険しい道になる。真道は去就に関し、「これからのことはまた考えたい」と熟慮する。