井岡一翔が7回KOで初防衛 執拗ボディーで相手もん絶 3度ダウン奪取で井上尚弥超え 「日本人の強さ伝え続ける」
「ボクシング・WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(31日、大田区総合体育館)
王者の井岡一翔(志成)が12度目の大みそか決戦に立ち、同級6位のペレス(ベネズエラ)に7回2分44秒KO勝利で初防衛を果たした。世界バンタム級4団体制覇王者の井上尚弥(大橋)と並んでいた日本人の世界戦勝利数を単独トップの22勝とした。
この試合前まで20勝(18KO)3敗と高いKO率を誇るペレスに対して、井岡は技術で応戦。3回に左右のフックを振ってくる相手の隙を突いて左右のボディーを執拗に攻め、足を止めた。5回には右のショートカウンターからラッシュでダウンを奪取。立ち上がった相手に右ストレートをお見舞いして2度目のダウンを奪ったが、相手はゴングに救われた。
6回はグロッギー気味の相手に上下を打ち分けロープへ追い詰めた。最後は7回の右カウンターを相手の顔面に食らわせ、そのまま立ち上がせなかった。
今回は試合前から20年12月、田中恒成(畑中)戦以来6試合ぶりとなるKO勝利を宣言し、闘志をみなぎらせていた井岡。リング上で開口一番「久しぶりのKO勝利を皆さんにお見せできて、超気持ちいい!」と絶叫し、「普段はKOにこだわっていないが、今回は会場の一体感を味わいたかったし、皆さんにも久しぶり味わっていただきたかった」と思いを明かした。
世界戦の勝利数でも井上尚を上回り、再び単独トップになったが、「(記録は)意識してない」と姿勢は変わらない。一方で、統一戦を熱望しているWBC王者のフアンフランシスコ・エストラダ(メキシコ)との対戦には弾みをつけた。
子供たちをリングに上げてパパの顔に戻った井岡は、「ボクシング人生、こういう試合をしたい、誰かと戦いたいと思うが、戦う理由はそれだけじゃない」と切り出した。「日本の未来のために戦い続けます。日本人の強さを伝え続けます」。大みそかを毎年彩り続けている世界最多勝利王者は、これからも日本を背負って戦う。