ボクシング ウクライナから来日した王者ダラキアン、戦時下の母国へ勝利を捧げる
「ボクシング・WBA世界フライ級タイトルマッチ」(23日、エディオンアリーナ大阪)
王者のアルテム・ダラキアン(ウクライナ)と同級1位のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)が大阪市内で記者会見に臨んだ。戦時中のウクライナから来日した王者ダラキアンは、母国のために勝利を捧げることを誓った。
ダラキアンは「日本で試合ができることをうれしく思う。この場を与えてもらったことに感謝したい。必ずチャンピオンベルトは持って帰る」ときっぱり。挑戦者ユーリ阿久井についても「かなり動画を見たが、とてもいいボクサーだ。自分がどれだけ踏ん張れるかがポイントだろう」と冷静に分析した。
ウクライナ・キーウ在住で、今もロシアとの戦争が続き、多くの国民が厳しい状況を強いられているという。この試合へ向けては、メキシコからスパーリングパートナーを呼び調整してきた。ウクライナから隣国ポーランドへ移動し、そこから航空機に乗って13日に来日した。
「チームのサポートのおかげで、体調は99パーセント仕上がっている」とコンディションには自信をのぞかせる。プロモーター兼ジム会長のルーバン氏も「勝つことでウクライナの国民を励ますことができる。今回の勝利は大きな意味を持つ」と大きな期待を寄せた。22戦全勝無敗の王者が大阪のリングで7度目の防衛を果たし、母国へ勝利を報告する。