死闘惜敗の武尊が号泣 被災地を想い「絶対勝って、世界一証明してパワー与えたかった」 涙止まらず引退示唆「これ以上、僕は体を作れません」 試合後は車いす姿

 試合後のインタビューで悔しそうな表情を見せる武尊(撮影・堀内翔)
 リングを降りる前に悔しそうな表情を見せる武尊(撮影・堀内翔)
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 「ONE」(28日、有明アリーナ)

 メーンイベントのフライ級王座戦で、元K-1世界王者の武尊が王者のスーパーレック・キアトモー(タイ)に挑み、判定0-3で敗れた。

 スーパーレックのローキック地獄に耐え、魂の戦いをみせた武尊だったが、最強王者には届かず。試合後のインタビューでは「絶対勝って、世界一を証明して、ファンの人たちにパワー与えたかったっすけど…。そのために今できる、今の体でできる限界ギリギリのところまでやりました。絶対勝って、武尊についてきてよかったって思ってもらいたくて、死ぬ気で頑張ってきたんですけど」と、号泣。「今ほんと、地震とか辛いことあってたくさんあって、苦しい思いしている人がいる。命がけで戦って、頑張ればいいことがあるってみせたかったんですけど。これ以上、僕は体を作れません…」と、引退を示唆した。

 会場を出る際にも車いす姿でインタビューを受けた武尊だったが、涙は止まらなかった。

 試合は1回から王者スーパーレックが強烈なローキックを武尊に浴びせて、主導権を握ったが、武尊もローキックで応戦。攻防が続いた。2回も王者のローが次々の武尊の左太ももに。見る見る腫れていったが、武尊もパンチのコンビネーションで反撃。終盤には王者を追い込み、ふらつかせる場面もあった。3回も王者のローキック攻めは止まらず、武尊は足引きずる場面も。しかし、前に出て攻め続けると、右ハイキックをガードし、一気の攻勢に。パンチのラッシュでダウン寸前まで追い詰めた。

 4回も前に出続ける武尊。相手のヒザを浴びながらも笑いながら前に出る根性をみせた。スーパーレックも的確に反撃し、武尊は鼻から出血した。5回は王者が前に出て、武尊を追い詰める。足が止まる中で、武尊は右拳で反撃。最後まで互いに手数が止まらないまま、死闘の終わりを告げるゴングがなった。

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