心打った武尊の不屈 格闘家たちが称賛 現地観戦の平本蓮「死ぬ気で身を削って戦う侍魂」、梅野源治は「右ローあれだけ食らったら普通倒れてる」

 リングを降りる前に悔しそうな表情を見せる武尊(撮影・堀内翔)
 3回、紫色のあざが目立つ武尊(撮影・堀内翔)
 ONEチャンピオンシップの観戦に訪れた平本蓮(撮影・堀内翔)
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 「ONE」(28日、有明アリーナ)

 メーンイベントのフライ級王座戦で、元K-1世界王者の武尊が王者のスーパーレック・キアトモー(タイ)に挑み、判定0-3で敗れた。

 スーパーレックのローキック地獄に耐え、魂の戦いをみせた武尊だったが、最強王者には届かず。試合後のインタビューでは「絶対勝って、世界一を証明して、ファンの人たちにパワー与えたかったっすけど…。そのために今できる、今の体でできる限界ギリギリのところまでやりました。絶対勝って、武尊についてきてよかったって思ってもらいたくて、死ぬ気で頑張ってきたんですけど」と、号泣。「今ほんと、地震とか辛いことあってたくさんあって、苦しい思いしている人がいる。命がけで戦って、頑張ればいいことがあるってみせたかったんですけど。これ以上、僕は体を作れません…」と、引退を示唆した。

 会場を出る際にも車いす姿でインタビューを受けた武尊だったが、涙は止まらなかった。

 会場で観戦した平本蓮は自身のXで「スーパーレック当たり前だけどめちゃくちゃ強かった 判定で敗れはしたけど、今日の武尊選手は世界中の強豪外国人を相手に子供の頃に見てきた死ぬ気で身を削って戦う侍魂を持つ、K-1選手のかっこよさがめちゃくちゃ詰まってた!かっこいいもの目の前で見せてもらいました!ありがとうございました」と綴り、安保瑠輝也も「やっぱ武尊さんの試合の時の顔つきのカッコ良さ異常やな。格闘技に対してかける思いが半端じゃないんやろな」と、振り返った。梅野源治も「ムエタイ目線で見るとテクニック差は正直かなりあった」としつつ「武尊選手の気持ちの強さには驚いた!!右ローをあれだけ食らったら普通は倒れてる。最高の試合を魅せてくれた」と、思いを込めた。

 試合は1回から王者スーパーレックが強烈なローキックを武尊を浴びせて、主導権を握ったが、武尊もローキックで応戦。攻防が続いた。2回も王者のローが次々の武尊の左太ももに。見る見る腫れていったが、武尊もパンチのコンビネーションで反撃。終盤には王者を追い込み、ふらつかせる場面もあった。3回も王者のローキック攻めは止まらず、武尊は足引きずる場面も。しかし、前に出て攻め続けると、右ハイキックをガードし、一気の攻勢に。パンチのラッシュでダウン寸前まで追い詰めた。

 4回も前に出続ける武尊。相手のヒザを浴びながらも笑いながら前に出る根性をみせた。スーパーレックも的確に反撃し、武尊は鼻から出血した。5回は王者が前に出て、武尊を追い詰める。足が止まる中で、武尊は右拳で反撃。最後まで互いに手数が止まらないまま、死闘の終わりを告げるゴングがなった。

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