穴口一輝選手死去 JBC、再発防止へ決意「どこかに打開策はないか」「穴口選手の死を無駄にしない」

 日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛事務局長は3日、都内で取材に応じ、2日にリング禍で亡くなった穴口一輝選手について取材に応じた。

 同事務局長は「(JBCとしては)選手をサポートして、家族の元に健康な体で戻さなければならない。どんな細かいことでも気にしながら事に当たっていきたい」と説明。「それが再発防止につながっていくと思うし、穴口選手の死を無駄にしないことにもつながっていくと思う」とし、「われわれは管理する立場なので、どこかに何か打開策はないかということを、あきらめないで向き合わないといけない」と述べた。

 具体策としては「4度のダウンとか、ラウンドの長さとか、多角的に検証する作業(が必要)」と再検証を約束。「穴口選手の試合前の状況もヒアリングしていく。(これまでもヒアリングは)事故が起きたら必ずやっている。向き合うこと、目をそらさないことが大事」と話した。

 試合当日の穴口選手の様子については「リングを降りた後も意識はあった。バックヤードに入ってすぐ、フッと力が抜けて(セコンドに)ぶら下がっているようになった。すぐそこが医務室で、ベッドに横たわった」といい、そこから意識レベルが低くなったという。当日は救急態勢も整えており、「2人の脳外科医が当直に入っていて、ベッドも開けていた」と説明。「非常にスムーズに手術まで進んだ。メインの前には会場を出ていた」という状況の中で「再発防止には難しさはあるが、そこに甘んじることはできない」と、改めて決意を語った。

 穴口選手は、12月26日に有明アリーナで世界スーパーバンタム級4団体を制覇した井上尚弥(大橋)のセミファイナル「バンタム級モンスタートーナメント・決勝」の日本王座戦に出場。日本同級王者・堤聖也(角海老宝石)と激闘を繰り広げ、判定で敗れた。優勢に試合を進め、4度のダウンを喫しながらも一歩も譲らない好試合を見せたが、試合後に右硬膜下血腫の緊急開頭手術を受け、2日午後5時38分に息を引き取った。23歳だった。

 同日に発表されたJBCの年間表彰では、この試合が世界戦以外での年間最高試合に選出された。

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