シュートボクシングの海人 元ONE世界王者に惜敗 シーザー会長「もう少ししつこく」
「シュートボクシング」(10日、後楽園ホール)
シュートボクシング(SB)のエースでSB世界ウエルター級王者の海人(26)=TEAM F.O.D=が、メインで元ONE世界ムエタイフェザー級王者のペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(29)=タイ=に延長判定0-2で惜敗した。
ムエタイの二大殿堂の一つルンピニースタジアムのミニフライ級とスーパーフェザー級の元王者でもあるペットモラコットは掛け値なしの超強豪。70キロ級では国内最強と目され、昨年8月には世界最大のキックボクシング団体グローリーの世界ライト級王座にも挑戦した海人だが、ペットモラコットは難敵だった。
左ミドルキックや「プランだった」という組んでからの膝蹴りなどで攻め立ててくるペットモラコットに、海人はローキックや右ミドルキックなどで対抗するが、ともに決定打に欠き本戦は判定0-1で延長回に突入。延長回では連打を浴びせる場面もあったが、判定0-2で涙をのんだ。
ペットモラコットは「とても楽しい試合になった。全ての回でうまく戦えた。本戦判定が引き分けだった時は緊張が高まった。どちらかというと勝ったと思った。延長回は(両者が)けっこう近かったと思う。かなり疲労感はあるが、勝ったうれしさでいっぱい」と振り返り、勝因を「膝だと思うし、後はけっこう蹴りを入れていったことだと思う」と話した。
海人については「とても多くの武器を、多くのバリエーションの技を持って戦う相手だったので、少し難しかった」と評し、自身との差を「経験値だと思う。試合数でいっても、僕の方がはるかに数をこなしてきた(ペットモラコットは209戦目、海人は63戦目)から」と指摘した。
シュートボクシングのシーザー武志会長は「僕としては1ラウンドはトントンだった。2ラウンドは取られた。3ラウンドはちょっと盛り返した。それでドローかな。延長は海人が良かったんじゃないかな」との見方を示した上で、海人に苦言を呈した。
「これっていう技が、ああいうタイプの選手にはなかった。ああやって抱きつかれたり、ひっつかれたりすると離す技がなかったね。ひっつかれると何もできないじゃないですか。胸の間のところを押して離さないと。離して自分がバックステップしてまた蹴ると。パンチを打つとかね。組まれた時の技をもう少し覚えないと」と、組まれた際の対処ができていなかったと指摘。
「ペットモラコットは左構えでしょ。右(脚へのローキック)を蹴った、最初に。けっこう良かった。あれを数を蹴ってると後半効いてくるから。そうすると、こっち(右脚)が踏ん張りがきかなくなると、必ずチャンスができるんですよ。もう少ししつこく。しつこさがないね。海人の骨は硬いからさ」と、攻略法を伝え、「もう一発やらせたいね。このままじゃさ、次行けないよ」と再戦を求めていた。