堤聖也 穴口一輝さんを悼む「彼は本当に本物のボクサーでした」「悔しいのは一緒に表彰式にいられなかったこと」
「ボクシング・2023年度年間優秀選手表彰式」(19日、都内)
前日本バンタム級王者・堤聖也(28)=角海老宝石=は、年間最高試合賞(世界戦以外)と努力・敢闘賞を受賞した。
年間最高試合賞に選ばれたのは昨年12月26日、穴口一輝さんの挑戦を受けて王座を防衛した一戦。穴口さんは試合後に右硬膜下血腫で緊急開頭手術を受け、2月2日に死去した。年間最高試合賞選出の直後だった。
穴口さんが亡くなった後、初の公の場となった堤は「僕としては、ちゃんとこの試合を選んでくれて良かったです。この試合じゃなかったらどれ?みんな迷う。それくらい圧倒的だった。試合後のことは関係なく、お互いの持ち味を全部出した」と、受賞の心境を語った。
「僕にしか感じられないこともある。本当に、穴口選手は本物だなと。彼は本物のボクサーでした」と穴口さんをたたえた堤は「悔しいのは、今回一緒に(表彰式に)いられなかったこと」と、穴口さんを悼んだ。
堤は「人生のつぶし合いと思ってボクシングをやっている」と打ち明け、「僕の拳、僕の人生に、戦ってきた人の思いは乗っているので、それも全て覚悟した上で、僕のスタイルのボクシングを見せていきたい。世界は必ず取ります」と、今後に向けて覚悟を示していた。
その後、自身のインスタグラムでも受賞を報告。「試合を観た全ての人にこの試合を一生忘れないでください」とメッセージをつづった。